はじめに
三菱ランサーエボリューション、通称「ランエボ」。
その名を聞くだけで心が踊る車好きも多いのではないでしょうか。1992年に初代モデルが登場して以来、エボリューションシリーズはラリーでの成功と圧倒的なパフォーマンスで、世界中のファンを魅了してきました。今回の記事では、そんなランエボの全モデルを振り返り、それぞれが持つ魅力と進化の軌跡を詳しくご紹介します。
初代エボ1から最終モデルのエボ10まで、走りへの情熱が詰まったシリーズの魅力を徹底解説していきます。あなたの心を熱くする「伝説の進化」を一緒に辿りましょう!
ランサーエボリューションの魅力とは?
三菱ランサーエボリューション(通称ランエボ)は、1992年に登場してから2007年のエボリューション10まで、全10世代にわたり進化を続けたスポーツセダンの名車です。その魅力は単なる「速い車」に留まらず、ラリーでの圧倒的な実績、革新的な技術、そして日常使いもできる実用性の高さなど、あらゆる面で高く評価されています。以下にその主な魅力を詳しく解説します。
1. 圧倒的なパフォーマンス
高性能エンジン
ランエボには全世代を通じて、直列4気筒DOHCターボエンジンが搭載されています。特に「4G63型エンジン」(エボ1~9)や「4B11型エンジン」(エボ10)は、280馬力以上のパワーと高トルクを発揮し、当時のライバル車を圧倒しました。これらのエンジンは、チューニング耐性も高く、アフターパーツ市場でも多くのファンを魅了しました。
高度な駆動システム
三菱の誇る4WD技術がランエボの魅力の中心です。特に、
- アクティブ制御センターデフ(ACD)
- スーパーAYC(アクティブヨーコントロール)
- S-AWC(スーパーオールホイールコントロール:エボ10で採用)
といった高度な駆動システムにより、路面状況を問わず高いトラクション性能と安定性を発揮します。これにより、直線での加速だけでなく、コーナリング性能でも卓越した性能を発揮しました。
2. ラリーでの成功
ランエボは、WRC(世界ラリー選手権)のグループA規定下で開発され、その性能はラリーでの数々の勝利によって証明されています。特にトミ・マキネン選手が4年連続でドライバーズタイトルを獲得したエボ4~6の時代は、三菱とランエボの黄金期と言えるでしょう。これにより、ランエボは「勝つための車」というブランドイメージを確立しました。
3. 実用性と快適性
ランエボの魅力は、スポーツカーでありながら、4ドアセダンとしての日常性も兼ね備えている点にあります。広い室内空間、適度な収納スペース、そしてシンプルで使いやすいインテリアは、普段使いの車としても非常に優れています。さらに、エボ10では静粛性が向上し、より快適なドライブが可能となりました。
4. エボリューションごとの進化
各世代で技術的な進化を遂げてきたランエボは、常にドライバーの期待を超える新機能や改良を取り入れてきました。
- エボ1~3: ラリーに勝つための基礎を築いたモデル。
- エボ4~6: 駆動システムの進化とラリーでの圧倒的な成功。
- エボ7~9: 車体剛性と快適性の向上、高度な制御技術の採用。
- エボ10: 新エンジンとデュアルクラッチトランスミッションで革新を遂げた最終モデル。
それぞれの世代が独自の個性と魅力を持ち、ドライバーのニーズに応えてきました。
5. チューニングベースとしての人気
ランエボはその高いポテンシャルから、チューニングカーとしても非常に人気があります。エンジンや足回りの耐久性が高く、パワーアップやハンドリングの改良がしやすい設計となっており、初心者からプロまで幅広い層のチューナーが愛用しています。特にサーキットやドラッグレース、ドリフト競技での使用も多く、その汎用性の高さが際立ちます。
6. 美しいデザインと存在感
ランエボはスポーティで力強いデザインが特徴的です。大型リアウィングやエアダクト付きボンネットなど、機能美を備えたデザインは、単なる見た目の良さを超えた空力性能を追求しています。また、エボ5以降のワイドボディ化により、より迫力のあるスタイリングを手に入れ、走行中でも視線を集める存在感を放っています。
7. 車好きにとっての「伝説」
ランエボは、その優れた性能やラリーでの活躍、進化を続けた10世代という歴史を通じて、車好きにとっての特別な存在となっています。生産終了後も、ランエボを愛するコミュニティは世界中に存在し、ファン同士の交流やイベントも盛んです。そのため、ランエボは単なる車を超えた「伝説」として語り継がれています。
まとめ
三菱ランサーエボリューションは、スポーツカーの枠を超え、ラリーでの成功や革新的な技術で数々の伝説を作り上げた名車です。その走行性能、実用性、デザイン、そして進化の歴史は、今なお多くの車好きに愛されています。ランエボの魅力はその圧倒的なパフォーマンスだけでなく、ドライバーの心を掴む「情熱」と「楽しさ」にあります。一度乗れば忘れられない、そんな特別な存在です。
三菱:ランサーエボリューション1
■三菱:ランサーエボリューション
三菱ランサーエボリューション1は、1992年に登場した伝説的なスポーツセダンで、特にWRC(世界ラリー選手権)における成功でその名を世界に轟かせました。エボ1は、ラリー競技用に開発されたホモロゲーションモデルであり、当時の高性能車の代表格として誕生しました。
搭載されている2.0L 直列4気筒ターボエンジンは、250馬力を発揮し、フルタイム4WDシステムにより、どんな路面でも安定した走行が可能です。このエンジンと駆動システムの組み合わせは、ラリー競技でも非常に強力で、エボ1の走行性能を支える大きな要素となりました。軽量で剛性の高いボディ設計も、サーキットやラリーでの優れた走行性能を実現しています。
外装デザインでは、スポーティさと機能性が見事に融合しており、特に大型リアスポイラーとエアスクープ付きのボンネットが特徴的です。これらのデザインは、高速走行時の安定性を確保するために重要な役割を果たしました。内装もまた、スポーツドライビングを重視したシンプルで機能的な設計が施されており、レカロ製のスポーツシートやMOMO製のステアリングがドライバーの操作性を高めています。
エボ1はその後、エボリューションシリーズの礎となり、さらに進化を遂げましたが、初代のこのモデルは今なお多くの車好きに愛されています。現代においてもコレクターズカーとして高い人気を誇り、特にラリーカーとしての伝統と、エボシリーズの始まりを体験したいファンにとっては魅力的な一台です。
ランサーエボリューション1は、その優れた性能、独特なデザイン、そしてラリーでの歴史的な成功を背景に、今もなお多くの人々にとって特別な存在となり続けています。

三菱:ランサーエボリューション2
■三菱:ランサーエボリューション2
三菱ランサーエボリューション2は、1993年に登場したエボリューションシリーズの第2世代モデルで、初代エボ1をベースにさらに進化を遂げた一台です。エボ1の成功を土台に、細部の改良とパフォーマンス向上が図られ、ラリー競技でのさらなる活躍を目指して開発されました。
搭載されているエンジンは、初代と同じ2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」ですが、細かい改良によってレスポンスと信頼性が向上しました。最高出力は260馬力に強化され、さらに改良されたフルタイム4WDシステムが、過酷なラリー環境や舗装路での卓越したトラクション性能を発揮します。足回りも強化され、サスペンションの見直しによりコーナリング性能がさらに向上しました。
デザイン面では、初代のエアロダイナミクスを踏襲しつつも、より洗練されたフォルムが特徴です。フロントバンパーの形状が変更され、冷却性能が向上するとともに、よりアグレッシブな印象を与えています。軽量化されたボディは約1240kgを維持し、パフォーマンスと操作性をさらに高めました。
内装はエボ1と同様にスポーティさを重視しながらも、快適性が向上しています。レカロ製スポーツシートやMOMO製ステアリングはそのまま引き継がれ、ドライバーにとって理想的な運転環境を提供します。また、細かいフィードバックを取り入れた結果、より洗練された仕上がりになっています。
エボ2は、WRCにおける競争力をさらに高めたモデルであり、その改良によってシリーズ全体の成功に大きく貢献しました。初代の特徴を継承しながら、性能と快適性を進化させたエボ2は、当時のラリーカーとしても市販スポーツセダンとしても非常に高い評価を受けました。現在でも、エボリューションシリーズの中で特にファンの多いモデルの一つとして語り継がれています。
ランサーエボリューション2は、性能の進化と完成度の高さでエボシリーズの方向性をさらに確立した名車であり、今なおその存在感を放っています。

三菱:ランサーエボリューション3
■三菱:ランサーエボリューション3
三菱ランサーエボリューション3は、1995年に登場したエボリューションシリーズの第3世代モデルで、初代から続く改良の集大成とも言える一台です。ラリー競技でのさらなる勝利を目指して、性能面・デザイン面ともに大幅な進化が施されました。
エンジンは従来と同じ2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」を採用しながらも、ターボチャージャーを改良することで最高出力を270馬力に向上。トルク特性も見直され、より扱いやすくパワフルな走りを実現しています。駆動方式はフルタイム4WDを継続し、優れたトラクション性能とコーナリング性能を発揮。特にサスペンションの再調整により、より安定したハンドリングが可能となりました。
外装デザインはエボ2から大幅に刷新され、より攻撃的なスタイルが採用されています。特に大型リアウィングとリップスポイラーの採用により、ダウンフォースが向上し、高速走行時の安定性を大幅に強化。また、エアインテーク付きのバンパー形状が冷却性能を高め、エンジンの熱ダレを防ぐ設計が施されています。
内装では、ドライバーの集中力を高めるためのレイアウトがさらに進化。レカロ製スポーツシートやMOMO製ステアリングを引き継ぎつつ、質感と快適性が向上しました。これにより、日常使いとスポーツ走行の両立を図った仕上がりになっています。
エボ3はWRCにおいても圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ラリーでの勝利を重ねることで三菱のブランド価値を高めました。その高い完成度は市販車にも反映され、多くのエンスージアストから支持されています。
ランサーエボリューション3は、シリーズ初期の進化を象徴するモデルであり、エボリューションシリーズの中でも特に評価が高い1台です。洗練されたデザインとパフォーマンスの両立が魅力で、今なお多くのファンに愛され続けています。

三菱:ランサーエボリューション4
■三菱:ランサーエボリューション4
三菱ランサーエボリューション4は、1996年に登場したエボリューションシリーズの第4世代モデルで、新世代へ突入した革新の一台です。このモデルは、プラットフォームを一新し、さらなるパフォーマンス向上と快適性を両立させたことでシリーズの中でも重要な位置づけとなっています。
エボ4では、新設計の2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」エンジンを搭載。ターボチャージャーの改良により、280馬力を実現し、トルクも大幅に向上しました。さらに、アクティブ制御センターデフ(ACD)が初採用され、駆動力を路面状況に応じて最適化することで、従来よりも高いトラクション性能と安定感を提供します。この技術は、当時のスポーツカーとしては画期的なものでした。
デザイン面では、エボ4は一新された丸みを帯びたボディラインが特徴的で、空力性能をさらに高めています。特に大型リアウィングと新設計のフロントバンパーが、高速域での安定性とエンジン冷却性能を向上させました。全体的に力強さと近代的なスタイルが融合したデザインとなっています。
内装では、エボリューションシリーズらしいスポーティな雰囲気を維持しながらも、質感が向上。レカロ製スポーツシートやMOMO製ステアリングは引き続き採用され、運転時の快適性と操作性を高めています。また、シャシー剛性の向上により、よりスムーズで安定した走行が可能になりました。
エボ4は、WRCでの活躍をさらに広げ、三菱のスポーツイメージを確立する一助となりました。特に、このモデルでの技術革新は、エボリューションシリーズ全体に大きな影響を与え、未来のモデルの開発にも貢献しました。
ランサーエボリューション4は、性能、デザイン、技術革新の全てにおいて進化を遂げた一台であり、シリーズの中でも特に象徴的なモデルの一つです。現在でもその革新性と完成度は高く評価され、多くのファンから支持されています。

三菱:ランサーエボリューション5
■三菱:ランサーエボリューション5
三菱ランサーエボリューション5は、1998年に登場したエボリューションシリーズの第5世代モデルで、さらなるパフォーマンスと精密な走行性能を追求した一台です。このモデルは、WRCでの競技規定変更に対応する形で進化し、エボシリーズの中でも特に完成度が高いモデルとして知られています。
エンジンは従来の2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」を引き続き搭載し、最高出力は280馬力、最大トルクは38.0kgf·mに達します。ターボチャージャーの改良とエンジンセッティングの見直しにより、中低速域から高回転までのスムーズな加速を実現。さらに、アクティブ制御センターデフ(ACD)に加え、リヤデフにアクティブヨーコントロール(AYC)を搭載し、コーナリング性能を劇的に向上させました。
外装デザインは、よりワイドなボディと大型エアロパーツが特徴です。フロントフェンダーとリアフェンダーを拡大し、ホイールトレッドを広げることで、安定性と操縦性を強化。新設計の大型リアウィングは、調整可能な仕様となり、ダウンフォースを状況に応じて最適化することが可能です。攻撃的で力強いデザインは、見る者に圧倒的な存在感を与えます。
内装では、レカロ製スポーツシートやMOMO製ステアリングはもちろん、質感と快適性がさらに向上。車内の遮音性も改善され、スポーツカーでありながら日常使いにも適した仕上がりとなっています。また、ブレンボ製ブレーキを採用し、制動力も格段に向上しました。
エボ5はWRCにおいても大きな成功を収め、三菱の名をさらに高める存在となりました。広いトレッドと優れたコーナリング性能により、ラリーシーンで圧倒的な強さを発揮。これにより、エボリューションシリーズの性能と信頼性を証明しました。
ランサーエボリューション5は、性能、デザイン、快適性の全てが高い次元でバランスされた一台です。シリーズ全体の進化を牽引したこのモデルは、今なお多くのファンにとって特別な存在であり続けています。
三菱:ランサーエボリューション6
■三菱:ランサーエボリューション6
三菱ランサーエボリューション6は、1999年に登場したエボリューションシリーズの第6世代モデルで、WRC(世界ラリー選手権)での更なる勝利を目指して開発された一台です。特に、ラリー専用車両「トミ・マキネンエディション」の存在が、エボ6をシリーズの中でも特別なモデルとして際立たせています。
エンジンはおなじみの2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」を搭載し、280馬力と38.0kgf·mのトルクを発揮。冷却性能の向上を図るため、ターボチャージャーの改良や大型インタークーラーの採用が行われ、高温環境下でも安定したパフォーマンスを発揮します。また、アクティブ制御センターデフ(ACD)やアクティブヨーコントロール(AYC)の改良により、さらに洗練されたトラクション性能とコーナリング性能を実現しました。
外装デザインは、空力性能を徹底的に追求した仕様となっており、大型フロントバンパーやリアウィングが特徴的です。特にリアウィングには新設計の二段式構造が採用され、高速域でのダウンフォースを大幅に向上。フロントリップスポイラーや冷却用エアインテークも拡大され、走行性能とエンジン冷却性能を高次元で両立しています。
内装は、スポーツ性と快適性を兼ね備えた仕様となっており、レカロ製スポーツシートやMOMO製ステアリングを標準装備。トミ・マキネンエディションでは、専用の赤黒カラーテーマが採用され、特別感が一層強調されています。さらに、軽量化と剛性強化が進められたボディ構造が、ダイナミックな走行性能を支えます。
エボ6はWRCでの成功を後押しするモデルであり、特にトミ・マキネン選手の名を冠した特別仕様車は、多くのラリーファンを魅了しました。その高い競争力と信頼性は、シリーズの人気をさらに不動のものとしました。
ランサーエボリューション6は、エボリューションシリーズの技術的な頂点の一つとされ、特にラリーシーンでの活躍が印象的なモデルです。その完成度の高さと特別な存在感は、現在でも多くのファンを惹きつけています。

三菱:ランサーエボリューション7
■三菱:ランサーエボリューション7
三菱ランサーエボリューション7は、2001年に登場したエボリューションシリーズの第7世代モデルで、シリーズの方向性を一新した重要な一台です。プラットフォームをランサーセディアに変更し、これにより車体の大型化と剛性向上を実現。性能と快適性を両立させた進化型モデルとして登場しました。
エンジンには、2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」を引き続き搭載。最高出力は280馬力、最大トルクは39.0kgf·mを発揮し、さらに進化したターボチャージャーにより、中低速域でのトルク特性が大幅に改善されました。駆動システムにはアクティブ制御センターデフ(ACD)とスーパーAYC(アクティブヨーコントロール)が採用され、路面状況に応じた高度なトラクション性能を実現しています。
デザイン面では、エボ7は大型化されたボディが特徴で、より広いホイールトレッドと安定感のあるフォルムが目を引きます。新設計の大型フロントバンパーとリアウィングが空力性能をさらに向上させ、高速域での安定性を実現。さらに、インタークーラーへの冷却効率を高めるためのダクト形状が採用され、性能向上に寄与しています。
内装では、スポーティな雰囲気を維持しながらも快適性が向上。レカロ製シートやMOMO製ステアリングは引き続き標準装備され、運転の楽しさと快適性を両立しています。また、リアシートのスペース拡大や遮音性の向上により、ファミリーユースとしても使いやすい仕様になっています。
エボ7はWRCでの競技規定変更に対応したモデルであり、ラリーカーとしての信頼性を保持しながら、市販車としての実用性も強化。特にAWD(全輪駆動)システムの進化により、様々な路面状況での圧倒的なパフォーマンスを発揮しました。
ランサーエボリューション7は、ラリーカーとしての実力と快適性を兼ね備えた一台で、シリーズの新たな方向性を示すモデルとなりました。その高い完成度は、多くのファンにとって特別な存在となり続けています。

三菱:ランサーエボリューション8
■三菱:ランサーエボリューション8
三菱ランサーエボリューション8は、2003年に登場したエボリューションシリーズの第8世代モデルで、さらなる技術革新と洗練を追求した一台です。このモデルでは、シリーズ初の6速マニュアルトランスミッションが採用され、よりスムーズでダイナミックな走行性能を実現しました。また、バリエーションの多さも特徴で、MR(ミツビシレーシング)仕様や特別仕様車など、多様な選択肢が用意されました。
エンジンはおなじみの2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」を搭載し、280馬力と40.0kgf·mのトルクを発揮。改良型のターボチャージャーと排気系の見直しにより、レスポンスと効率が向上しました。さらに、スーパーAYC(アクティブヨーコントロール)とACD(アクティブ制御センターデフ)が進化し、路面状況に応じたトラクション性能と安定性をさらに向上させています。
外装デザインは、より洗練されたアグレッシブなスタイルが採用されました。大型フロントバンパーやエアダクト、調整可能な大型リアウィングなど、空力性能を強化するパーツが随所に取り入れられ、高速域でのダウンフォースをさらに向上。また、シリーズで初めてHIDヘッドライトを採用し、夜間走行の視認性が向上しました。
内装では、スポーティさと快適性のバランスがさらに強化され、レカロ製シートやMOMO製ステアリングに加え、素材やデザインの質感が向上しています。また、特別仕様車ではアルミ製のルーフを採用し、軽量化と重心低下による走行性能の向上を図りました。静粛性の向上や快適性の強化により、日常使いとスポーツ走行の両方で高い満足度を提供します。
エボ8はWRC参戦車両としても高い評価を受け、競技での成功を市販車にフィードバックする形で、シリーズ全体の進化を牽引しました。特に6速マニュアルとスーパーAYCの組み合わせによるコーナリング性能は、当時のライバル車を凌駕するものでした。
ランサーエボリューション8は、技術、デザイン、性能の全てが高次元で融合したモデルであり、エボリューションシリーズの新たな時代を切り開く存在です。その革新性と高性能は、現在でも多くのファンを魅了し続けています。

三菱:ランサーエボリューション9
■三菱:ランサーエボリューション9
三菱ランサーエボリューション9は、2005年に登場したエボリューションシリーズの第9世代モデルで、熟成された技術と性能が魅力の一台です。このモデルでは、改良されたターボエンジンと高度な制御システムが採用され、シリーズ史上最高レベルの運動性能と扱いやすさを実現しました。また、特別仕様車「MR」や「GT」など、多彩なバリエーションが用意され、幅広いニーズに応える構成となっています。
エンジンには、従来の2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4G63型」を採用しつつ、MIVEC(可変バルブタイミング機構)を初搭載。これにより、低回転域でのトルク向上と高回転域での出力のバランスが最適化され、280馬力と40.0kgf·mのトルクを発揮します。さらに、スーパーAYC(アクティブヨーコントロール)やACD(アクティブ制御センターデフ)が進化し、コーナリング性能とトラクション性能が大幅に向上しました。
外装は、エボ8をベースに空力性能をさらに強化したデザインが特徴です。新しいフロントバンパーとリップスポイラーによりダウンフォースが向上し、高速域での安定性が向上。リアウィングも改良され、視覚的な存在感とともに空力的な機能性を高めています。また、特別仕様車では軽量アルミ製ルーフが採用され、重心の低下とハンドリング性能の向上に貢献しています。
内装は、シリーズらしいスポーティさを維持しながらも、質感や快適性がさらに向上。レカロ製スポーツシートやMOMO製ステアリングを標準装備し、ドライバーに理想的な運転環境を提供します。また、遮音性の改善により、スポーツカーながらも快適な日常使いを可能にしています。
エボ9は、WRCでの実績をフィードバックしたモデルとしても高い評価を受け、特にMIVECによるエンジンの改良が性能面での大きな進化をもたらしました。さらに、特別仕様車は軽量化と性能向上に注力され、ファンの間で特に人気の高い仕様となっています。
ランサーエボリューション9は、エボリューションシリーズの集大成とも言える完成度を誇り、その熟成された性能と革新的な技術は、現在でも多くの車好きに愛されています。シリーズの歴史の中で輝きを放つ一台です。

三菱:ランサーエボリューション10
■三菱:ランサーエボリューション10
三菱ランサーエボリューション10は、2007年に登場したエボリューションシリーズの最終モデルであり、技術革新と快適性を極限まで追求した一台です。このモデルは、新設計のプラットフォーム「GS」を採用し、エボリューションシリーズとして初めてのデュアルクラッチトランスミッション(Twin Clutch SST)を導入。これにより、スポーツカーとしての性能だけでなく、日常の使いやすさも飛躍的に向上しました。
エンジンは、新開発の2.0L 直列4気筒DOHCターボ「4B11型」を搭載。従来の「4G63型」からアルミ製エンジンブロックに変更することで軽量化を実現し、280馬力と43.0kgf·mのトルクを発揮。さらに、可変バルブタイミング機構MIVECを進化させ、全回転域での効率的な出力を確保しました。駆動システムは、スーパーAYCやACDに加え、S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)を搭載し、コーナリング性能と安定性が飛躍的に向上しました。
外装デザインは、エボリューションシリーズの中で最も洗練されたスタイルを採用。大胆なフロントグリルとアグレッシブなエアロダイナミクスを備え、高速域での安定性と冷却性能を両立しています。大型リアウィングと新設計のアルミ製ボンネットも軽量化と空力性能に寄与し、走行性能を高めるデザインとなっています。
内装では、質感と快適性が大幅に向上し、スポーティな雰囲気を保ちながらも高級感を加味。レカロ製シートやMOMO製ステアリングは健在で、運転時のホールド性と操作性を強化。また、先進的なインフォテインメントシステムが装備され、快適なドライビング体験を提供します。特別仕様車「GSR」や「MR」は、さらにプレミアムな装備が追加され、ファンを魅了しました。
エボ10は、WRCで培った技術を集大成したモデルであり、特にS-AWCの採用は、あらゆる路面での安定感と操作性を格段に高めました。加えて、デュアルクラッチトランスミッションによる素早いギアチェンジは、スポーツカーとしての爽快感を一層高める要素となっています。
ランサーエボリューション10は、シリーズの最終章としてその名にふさわしい完成度と先進性を備えています。走行性能、快適性、そして革新性を兼ね備えたこのモデルは、多くのファンに愛され、今なお高い評価を受け続ける伝説の一台です。
さいごに
ランサーエボリューションは、ラリーで培われた技術と、ドライバーを虜にする走行性能で、スポーツカーの歴史にその名を刻みました。
初代エボ1の登場から最終モデルのエボ10まで、各世代が新たな挑戦を重ね、進化を遂げてきたその姿は、多くの車好きにとって特別な存在です。今回ご紹介した「伝説の進化」を振り返る中で、ランエボがいかにして人々を魅了し続けてきたかを感じていただけたでしょうか。
未来に続くスポーツカーの新たな進化を想像しながら、ランサーエボリューションの物語を胸に刻んでみてください。あなたにとっての「エボリューションの1台」を見つけるきっかけになれば幸いです!