はじめに
コンパクトなボディと維持費の安さが魅力の軽自動車。
その中でも近年特に人気を集めているのが「軽SUV」です。
街乗りに便利なサイズ感はそのままに、SUVらしいタフなデザインや高い実用性を備え、アウトドアやレジャーでも活躍できる万能さが支持されています。
代表的なモデルには、遊び心あふれる スズキ ハスラー、本格4WD性能を誇る スズキ ジムニー、開放感のあるスカイフィールトップが魅力の ダイハツ タフト、そしてデリカDNAを継承した新星 三菱 デリカミニ などがあり、それぞれに異なる個性と魅力を持っています。
本記事では、人気の軽SUVたちを詳しく紹介し、その魅力を徹底解説していきます。
スズキ ジムニ
ジムニーの概要
スズキ ジムニーは、1968年に初代モデルが登場して以来、世界中で愛され続けるコンパクトオフローダーです。軽自動車規格に収まる小さなボディながら、本格的なラダーフレーム構造とパートタイム4WDを備え、悪路走破性に優れています。その個性的で角ばったデザインと高い実用性から、アウトドア愛好者や街乗りユーザーまで幅広い人気を獲得しています。
エクステリア
現行型(4代目・JB64型)は、2018年に登場。伝統の丸目ヘッドライトと角張ったボディラインを採用し、クラシカルで無骨なスタイルを現代的にアレンジしています。短いオーバーハングやスクエアなボディ形状は、悪路でのアプローチアングル・ランプブレークアングルを確保し、走破性に直結する実用的なデザインです。
インテリア
インテリアはシンプルながらも実用性重視。スクエアなダッシュボードは操作性に優れ、オフロード走行時でも使いやすい配置となっています。軽自動車ながら前席の居住性は十分で、後席はややタイトですが、ラゲッジスペースはシートを倒せばフラットで広く使えるため、キャンプ用品やアウトドアギアを積むのに便利です。
パワートレインと性能
エンジンは660cc 直列3気筒ターボ(R06A型)を搭載し、最高出力は64馬力。トランスミッションは5MTまたは4ATが選べます。ラダーフレーム構造と3リンクリジッドアクスル式サスペンション、パートタイム4WDシステム(2H/4H/4L切り替え)を備え、本格的なオフロード性能を発揮。小柄なボディと相まって、林道や雪道でも軽快な走破力を誇ります。
安全性能
最新のジムニーには「スズキセーフティサポート」が搭載され、デュアルセンサーブレーキサポート(自動ブレーキ)、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能などを装備。小型のオフローダーながら、日常使いでの安全性にも配慮されています。
まとめ
スズキ ジムニーは、「小さな巨人」と呼ぶにふさわしい存在です。軽自動車規格ながらも本格4WDの構造を守り続け、街乗りからアウトドアまで幅広いシーンで頼れる相棒となります。クラシカルで無骨なデザインは唯一無二で、アウトドアブームの現代においてさらに注目度が高まっています。
スズキ ハスラー
ハスラーの概要
スズキ ハスラーは、2014年に登場した「軽クロスオーバーSUV」で、軽自動車の扱いやすさとSUVらしいタフなスタイルを融合させたモデルです。街乗りからアウトドアまで幅広く活躍できることから、若者を中心に人気を集め、軽自動車SUV市場を切り開いた存在ともいえます。現行型は2代目(2020年登場)で、より質感や安全性能が向上しています。
エクステリア
ハスラーのデザインは、丸目ヘッドライトとスクエアなボディが特徴。遊び心を感じさせるカラフルな2トーンルーフや、SUVらしい樹脂製のクラッディングパーツが冒険心をくすぐります。ボディサイズは軽規格に収まるため取り回しやすく、街中からアウトドアシーンまで映えるスタイルです。
インテリア
インテリアはポップでカジュアルなデザインが魅力。インパネ周りはカラーパネルを採用し、外装カラーとコーディネートできる遊び心があります。室内は軽SUVらしく広さを確保し、後席はスライド機構付きで足元もゆったり。ラゲッジはスクエア形状で積みやすく、防汚仕様のフロアボードを採用しているためアウトドア用品をそのまま載せても安心です。
パワートレインと性能
エンジンは660cc 直列3気筒の自然吸気とターボを設定し、マイルドハイブリッドシステムを組み合わせることで低燃費と力強さを両立。トランスミッションはCVTで、駆動方式はFFと4WDが選べます。4WDモデルには「グリップコントロール」や「ヒルディセントコントロール」が備わり、雪道や悪路でも安心して走行可能です。
安全性能
現行型は「スズキセーフティサポート」を全車標準装備。デュアルカメラブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)、誤発進抑制機能、車線逸脱警報、標識認識機能などを搭載し、安全性が大幅に向上しています。小さなボディながら最新の安全技術が詰め込まれているのが特徴です。
まとめ
スズキ ハスラーは、軽SUVの先駆けとして誕生し、街乗りでもアウトドアでも映えるデザインと使い勝手を兼ね備えた一台です。遊び心のあるスタイルに加え、広い室内、燃費の良さ、安全性能の充実が魅力で、普段使いにもレジャーにもピッタリな軽SUVといえます。
ダイハツ タフト
タフトの概要
ダイハツ タフトは、2020年に登場した軽クロスオーバーSUVです。名前は1970年代に存在したダイハツの本格オフローダー「TAFT」に由来し、「Tough & Almighty Fun Tool」をコンセプトに開発されました。スクエアで力強いデザインと、大きなガラスルーフ「スカイフィールトップ」を全車標準装備するのが特徴で、アウトドアやレジャーに最適な一台です。
エクステリア
外観は直線基調のスクエアボディで、SUVらしい力強さを強調。角張ったフォルムと高めの地上高により、存在感のあるデザインとなっています。樹脂製のバンパーガードやホイールアーチモールがアウトドア感を演出し、ハスラーと並ぶ軽SUVらしい個性を放っています。
インテリア
インテリアは「タフ&ユースフル」をテーマに設計され、道具感のあるデザインが特徴。インパネやシートにはアウトドアギアを思わせる質感が取り入れられています。ラゲッジスペースはフラットで防汚仕様の荷室を備え、汚れた荷物やアウトドア用品も気軽に積載可能。さらに全車に標準装備される「スカイフィールトップ」は、開放感を演出し、車内から星空や青空を楽しむことができます。
パワートレインと性能
エンジンは660cc 直列3気筒(自然吸気とターボ)を用意し、全車にスムーズなCVTを組み合わせています。さらにマイルドハイブリッド(スマートアシストの電動技術)を搭載し、低燃費を実現。駆動方式はFFと4WDを選択可能で、4WDには雪道や未舗装路で安心できる制御システムが備わっています。最低地上高は190mmと軽SUVとしては高めで、アウトドア走行に適した設計です。
安全性能
タフトはダイハツの先進安全装備「スマートアシスト」を標準装備。衝突回避支援ブレーキ、誤発進抑制、車線逸脱警報、アダプティブクルーズコントロール(ターボ車に設定)などが搭載され、軽SUVでも安心して長距離ドライブや街乗りが可能です。
まとめ
ダイハツ タフトは、遊び心と実用性を兼ね備えた軽SUVです。スクエアなデザインと開放感あふれる「スカイフィールトップ」、防汚仕様のラゲッジなど、アウトドアにぴったりの機能が満載。ハスラーよりも「道具感・実用性」に重きを置いたキャラクターで、レジャーや日常使いをアクティブに楽しみたい人におすすめの一台です。
ダイハツ タント ファンクロス
タント ファンクロスの概要
ダイハツ タント ファンクロスは、スーパーハイトワゴン「タント」の派生モデルとして2022年に登場した“クロスオーバーテイスト”のグレードです。従来の「タント」「タントカスタム」に加え、よりアクティブ志向のユーザーに向けてアウトドア感をプラスしたモデルで、軽スーパーハイトワゴンの便利さとSUVライクなデザインを両立しています。
エクステリア
外観はタフさを感じさせる専用デザインが特徴。ブラックの大型バンパーガードやフェンダーアーチモール、専用グリルを備え、SUVらしい力強いスタイルに仕上げています。カラーバリエーションもポップでアウトドアに映える色合いが多く、ツートーンカラーも設定。通常のタントよりも遊び心と個性が際立っています。
インテリア
インテリアは実用性とアクティブさを重視。防汚シートを採用し、アウトドアやレジャーで汚れが気になる場面でも安心。シートアレンジは通常のタント同様に多彩で、後席スライドやフルフラットにして荷物をしっかり積載可能です。ミラクルオープンドアも健在で、大きな荷物の積み込みや子どもの乗せ降ろしもスムーズです。
パワートレインと性能
搭載されるエンジンは660cc 直列3気筒(自然吸気とターボ)の2種類で、CVTを組み合わせます。駆動方式はFFと4WDを用意し、アウトドアを意識したユーザーにも対応。最低地上高は標準タントとほぼ同等ですが、SUV風デザインにより視覚的にもアクティブ感が増しています。燃費性能は軽ハイトワゴンとして十分で、日常使いから遠出までカバーします。
安全性能
タント ファンクロスも最新の「スマートアシスト」を標準装備。衝突回避支援ブレーキ、車線逸脱警報、誤発進抑制機能に加え、ターボ車にはアダプティブクルーズコントロールやレーンキープコントロールも搭載されます。家族でのアウトドアドライブでも安心できる安全性を確保しています。
まとめ
タント ファンクロスは、便利さと実用性が魅力のタントに「遊び心」と「アウトドア感」をプラスしたモデルです。SUVのようなタフなルックス、防汚仕様のインテリア、豊富なカラーラインナップが特徴で、街乗りからレジャーまで幅広く活躍。通常のタントでは物足りないけれど、ファミリーカーに遊び心を求めたい方にぴったりな一台です。
三菱 デリカミニ
デリカミニの概要
三菱 デリカミニは、2023年に登場した軽スーパーハイトワゴンで、「三菱 デリカD:5」のDNAを受け継いだアウトドア志向の軽モデルです。ベースは日産ルークス/三菱ekスペースですが、デザインや仕様を大幅に変更し、SUVらしさとファミリーユースの利便性を両立させています。発売直後から人気を博し、納車待ちが続くほどの注目モデルとなりました。
エクステリア
外観は「デリカ」の名前にふさわしく、力強くタフな雰囲気が魅力。スクエアなボディに三菱らしい「ダイナミックシールド」デザインを採用し、SUVテイストを前面に押し出しています。バンパーガード風の樹脂パーツやルーフレールがアウトドア感を高め、街乗りでも自然の中でも映えるスタイルに仕上がっています。
インテリア
インテリアはシンプルかつ機能的で、ファミリーユースを意識した広さと使い勝手を確保。後席はスライド機構を備え、足元もゆったり。ラゲッジルームはスクエア形状で積載性が高く、防汚仕様のフロアを採用しているため、キャンプ用品やアウトドアギアを気軽に載せられます。オプションで撥水シートやアウトドア向けのアクセサリーも選べる点が特徴です。
パワートレインと性能
エンジンは660cc 直列3気筒(自然吸気とターボ)を用意し、マイルドハイブリッドシステムを搭載。トランスミッションはCVTで、駆動方式はFFと4WDが選べます。4WD車には電子制御システムを採用し、雪道や悪路でも安定した走行が可能。軽スーパーハイトワゴンとしては走破性に優れ、三菱らしいアウトドア性能を備えています。
安全性能
最新の先進安全装備「三菱 e-Assist」を標準装備。衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報に加え、プロパイロット(同等機能:高速道路での運転支援システム)もターボ車に設定されています。日常の街乗りからロングドライブまで安心して利用できる安全性能を確保しています。
まとめ
三菱 デリカミニは、「軽でありながらデリカの魂を持つ」ユニークな存在です。SUVらしいタフなデザイン、防汚仕様のインテリア、4WDによる高い走破性を備え、ファミリー層やアウトドアユーザーに最適。街乗りだけでなく、キャンプやレジャーなどアクティブなライフスタイルを楽しむ人に強くおすすめできる一台です。
さいごに
軽SUVは、軽自動車ならではの扱いやすさに加え、SUVらしいデザインと多彩な機能を兼ね備えた“欲張りなジャンル”です。
ハスラーはカジュアルで遊び心あるデザイン、ジムニーは本格オフローダーとしての走破性、タフトは開放感と実用性、デリカミニはタフなスタイルと家族向けの快適性と、それぞれ異なる魅力を持っています。
日常使いからアウトドアまで幅広く対応できる軽SUVは、ライフスタイルに合わせて選べる選択肢が豊富で、これからも注目度が高まっていくでしょう。