セダンの魅力
セダンは、一般的に「4ドア・3ボックス構造(エンジン・キャビン・トランク)」の車種を指します。低重心でスタイリッシュな外観と、高級感・走行性能・快適性のバランスが取れた車として、長年にわたって多くのドライバーから支持されています。
1. 洗練されたスタイルとデザイン性
セダンは車高が低く、流れるようなシルエットが特徴です。クーペのような美しさと、4ドアの実用性を両立しています。特に高級セダンでは、無駄のないデザインやクローム装飾、上質な塗装などが施され、見る者に格式や品格を印象づけます。
2. 高い静粛性と快適性
セダンはキャビンとトランクが分かれた構造のため、荷物の音やにおいが車内に入りにくいのが特長です。風切り音や路面ノイズも少なく、静かで上質な車内空間を実現。長距離移動でも疲れにくく、後席の快適性も高いため、送迎やビジネスにも適しています。
3. スポーティで安定した走行性能
低重心で重量バランスの良いセダンは、コーナリング時の安定性に優れ、ロール(横揺れ)が少なくスポーティな走りが楽しめます。また、高速道路での直進安定性も高く、運転に安心感があります。スポーツセダンなら、サーキット走行すらこなせるモデルも存在します。
4. 優れた安全性能
セダンは重心が低いため、横転しにくく安定感があります。衝突安全性の設計も高水準で、多くのモデルが国際的な安全テストで高評価を獲得しています。また、近年は先進運転支援システム(ADAS)も標準装備されており、運転者と乗員をしっかり守ります。
5. 実用性もしっかり確保
見た目はスタイリッシュでも、トランク容量は意外に広く、スーツケースやゴルフバッグが楽に積めます。後席も広く、ファミリーカーとしても十分対応可能です。高級セダンでは、後席にオットマンやマッサージ機能が搭載されていることもあります。
6. 社会的信頼感・ステータスの象徴
セダンは、企業の役員車、公用車、迎賓車などにも使われる“格式ある車”としての一面もあります。落ち着きのあるデザインと内装、控えめでありながら上品な存在感が、ビジネスシーンでも信頼感を与えます。
7. セダンは「乗る楽しさ」がある車
セダンは「移動のための手段」以上の魅力を持っています。ドライバーズカーとしての操る喜び、高級サルーンとしての快適性、そして所有する満足感まで味わえる、バランスのとれたジャンルです。走りと品格の両方を求める方には、セダンこそ最適な選択肢です。
まとめ
セダンはスタイル・快適性・走り・安全性のすべてが高水準で整った車種です。SUVのようなトレンドとは一線を画し、落ち着きと品格、そして運転の楽しさを重視する人にとって、今もなお魅力的な存在であり続けています。
レクサス:LS
■レクサス:LS
レクサス LSは、レクサスブランドを代表するフラッグシップセダンで、圧倒的な静粛性、上質な乗り心地、革新的なテクノロジーを融合させた一台です。初代LSは1989年に北米市場で登場し、トヨタがレクサスブランドを立ち上げた際の中心的存在として、世界の高級車市場に衝撃を与えました。現在のLSは5代目(XF50型)で、2017年に登場し、その後も改良を重ねながら進化を続けています。
エクステリアは「L-finesse(エル・フィネス)」というデザイン哲学をベースにしたダイナミックかつ優雅なスタイルで、特徴的なスピンドルグリルや低重心のフォルムが目を引きます。全長は5,200mmを超え、堂々とした存在感を放ちながら、クーペのような流麗なシルエットも併せ持っています。
インテリアはまさに「和」の美意識と最新技術の融合。職人技が光る刺し子調のドアトリム、手作業で磨かれたガラス装飾、そして心地よさを追求したシート設計など、細部にまでこだわった作りが特徴です。リアシートにはオットマン付きのエグゼクティブパッケージも用意され、移動時間すら極上のひとときに変えてくれます。
パワートレインには、V6 3.5Lツインターボエンジン(LS500)と、V6 3.5Lマルチステージハイブリッド(LS500h)の2種類が設定されています。どちらも余裕のある加速性能と高い静粛性を誇り、高速巡航でもストレスのない走行が可能です。また、10速AT(LS500)やマルチステージハイブリッドシステムの搭載により、燃費性能と走りの両立も実現しています。
走行性能では、GA-Lプラットフォームを採用し、ボディ剛性の向上と低重心化を実現。エアサスペンションやアクティブスタビライザーを備えたモデルもあり、滑らかな乗り心地と高い安定性を両立しています。静粛性にも徹底的にこだわり、エンジン音やロードノイズの遮音対策が施され、まるで音のない世界に包まれるような感覚が得られます。
先進の安全装備「Lexus Safety System + A」も搭載されており、ミリ波レーダーとカメラを活用した高度な衝突回避支援システムや、自動運転に近い高度な運転支援機能が備わっています。特に夜間歩行者の検知精度や交差点での衝突回避能力なども大幅に強化されています。
総じて、レクサス LSは単なる高級セダンではなく、もてなしの心、走りの歓び、最新技術、そして日本独自の美意識が融合した、世界に誇るラグジュアリーカーです。ビジネスユースでもプライベートでも、圧倒的な存在感と快適性を求めるユーザーにとって、最上の選択肢となる一台です。

レクサス:IS
■レクサス:IS
レクサス ISは、スポーティさと高級感を兼ね備えたDセグメントのプレミアムセダンで、ドライバーズカーとしての資質を磨きながら、洗練された快適性も追求したモデルです。初代は1999年に登場し、当時は「アルテッツァ」として国内外で注目を集めました。現行モデルは2020年に大幅改良された3代目(XE30型)で、デザインと走行性能の両面で進化を遂げています。
外観はシャープなラインと低重心のプロポーションが特徴で、スピンドルグリルや鋭い三眼LEDヘッドライト、リアの一文字型LEDテールランプがダイナミックな印象を与えます。全体的に「アグレッシブさ」と「上品さ」がバランスよく融合し、若々しくも高級感のある佇まいが魅力です。
インテリアはドライバーを中心に据えた設計で、操作系の配置が自然で、運転に集中できるコクピット空間が広がります。素材や質感も高く、タッチパネル付きのディスプレイや本革シート、ステアリングヒーター、シートベンチレーションなどの快適装備も充実しています。また、後席の居住性も十分確保されており、日常使いにも適しています。
エンジンラインナップは、2.0L直列4気筒ターボ(IS300)、2.5L直列4気筒ハイブリッド(IS300h)、そして3.5L V6エンジン(IS350)という構成。IS300は軽快な加速と優れた燃費性能を兼ね備え、IS300hは静粛性と環境性能に優れたハイブリッド仕様、IS350は力強い加速と重厚な走りを提供するトップグレードです。いずれも後輪駆動を基本とし、IS300とIS350には四輪駆動(AWD)モデルも設定されています。
走行性能面では、ボディ剛性の強化やサスペンションの最適化により、コーナリング時の安定性と乗り心地が大幅に向上。特に「F SPORT」グレードでは専用チューニングの足まわりやLSD(リミテッドスリップデフ)、スポーツシートなどを装備し、より高い運動性能と応答性を楽しむことができます。ドライバーとの一体感を重視した設計は、長距離ドライブでもストレスが少なく、操る楽しさを存分に味わえます。
安全性能も抜かりなく、「Lexus Safety System +」を標準装備。歩行者検知機能付きのプリクラッシュセーフティやレーンキーピングアシスト、アダプティブクルーズコントロールなど、多彩な先進運転支援機能が搭載されています。また、万一の衝突時にも高い衝突安全性能を発揮する設計が施されています。
レクサス ISは、コンパクトなサイズ感でありながら高級感とスポーティさを高次元で両立した一台です。日常の移動にも、休日のドライブにもぴったりで、走りを楽しみたい人にも、質感を求める人にも応える多面性を持っています。特に「セダン離れ」が進む中でも、しっかりとした個性と魅力を放つモデルとして高い評価を受け続けています。

トヨタ:クラウン
■トヨタ:クラウン
トヨタ クラウンセダンは、2022年に大改革を遂げたクラウンシリーズの中でも、伝統と格式を色濃く残した一台であり、セダンとしての本質を追求したモデルです。クラウンは1955年に初代が登場して以来、日本を代表する高級車として進化を重ねてきましたが、近年はグローバル化と多様化の流れの中で、SUVやスポーツモデルを含む複数のバリエーションが登場。その中で「クラウンセダン」は、伝統的な三箱デザインと最新技術を融合させた正統派セダンとして開発されました。
エクステリアはシンプルかつ伸びやかなフォルムで、控えめながらも高級感と品格を備えています。SUVライクなクロスオーバー系クラウンとは異なり、低く構えたフロントノーズと長く美しいリアオーバーハングが特徴的で、全体に静謐な佇まいが漂います。フロントの水平基調のグリルデザインや、直線的なLEDランプの造形は落ち着いた印象を与え、公用車や送迎車としての用途にも適したデザインに仕上がっています。
インテリアは、後席の快適性に特化したつくりが際立っており、広々とした足元空間、リクライニング機能、ヒーターやベンチレーション機能を備えたシートなど、移動中のくつろぎを最大限に高める設計がなされています。上質な素材や静粛性への配慮も徹底されており、まさに「移動する上質な空間」と呼べる仕上がりです。もちろん前席も機能性とデザイン性を両立しており、デジタルメーターや大型のディスプレイ、快適なドライビングポジションが整えられています。
パワートレインには、水素を使って走る「FCEV(燃料電池車)」仕様と、静粛性と滑らかな加速を重視した「HEV(ハイブリッド)」仕様の2種類が用意されています。FCEVモデルはMIRAIと同じ燃料電池システムを搭載し、排出ガスゼロでありながらも航続距離が長く、充填時間も短いため、次世代の環境対応車として注目されています。一方、HEVモデルは2.5L直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたパラレル式ハイブリッドで、上質な乗り心地と優れた燃費性能を両立しています。
走行性能は、TNGA-Lプラットフォームをベースに、滑らかで安定感のある走りを実現。サスペンションはソフトながらしっかりと路面を捉え、静かな室内と相まって、まるで高級ラウンジのような移動体験を提供します。ドライバーズカーというよりも、後席の乗員に最高の快適性を提供する「ショーファードリブン(運転手付き高級車)」としての性格が色濃く現れています。
また、安全装備も最新の「Toyota Safety Sense」が全車標準装備されており、緊急時の自動ブレーキ、レーン逸脱防止支援、先進のドライバー異常時対応システムなど、移動中の安心感を徹底的に高めています。さらに、先進的なデジタルキーやコネクティッド機能も搭載され、スマートなカーライフをサポートします。
クラウンセダンは、クラウン本来の品格と格式を残しつつ、次世代の環境性能や快適性を追求した現代的な高級セダンです。主に企業や官公庁の送迎用途、あるいは落ち着いた大人のためのパーソナルユースとして設計されており、余計な華美さではなく、本質的な上質さを求める人にふさわしい一台です。

トヨタ:センチュリー
■トヨタ:センチュリー
トヨタ センチュリーは、日本が世界に誇る最高級ショーファーカーであり、1967年の初代登場以来、「日本のVIPカー」の象徴として半世紀以上にわたり進化を続けてきた特別な存在です。その歴史、設計思想、そして製造過程のすべてにおいて、他のトヨタ車とは一線を画す“別格”の扱いがなされています。現在のセンチュリーは2018年に登場した3代目で、平成から令和へと時代が移る中でも、伝統を守りつつ現代的な技術を取り入れたモデルです。
外観は一見すると控えめですが、見る人が見ればその“格”の違いがすぐに伝わるデザインです。クラシックで直線的なフォルム、ボンネット上に鎮座する「鳳凰」のエンブレム、繊細な縦型グリル、LEDを組み合わせたヘッドライトなど、すべてが重厚さと威厳を放っています。サイドビューやリアの造形も流行に左右されない端正さがあり、長年の伝統を継承しつつ、現代の安全基準や空力性能も計算された設計になっています。
インテリアは、日本の伝統美と最上級の快適性が融合した空間です。リアシートはまさに“主役”の座であり、電動リクライニングやマッサージ機能、オットマン、センターコンソールの大型液晶、さらには静粛性を極限まで高めた車内構造が用意されています。ウールモケットや本革など、使用される素材は選び抜かれ、組み付けは専門の匠によって手作業で仕上げられます。ドアの開閉音までもが静かで、すべてに「品格」を感じさせる演出が徹底されています。
パワートレインは5.0L V8エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせた「V8ハイブリッド」で、圧倒的な静粛性と滑らかな加速、そして環境性能を両立しています。従来のV12エンジンからダウンサイジングされたものの、必要十分以上のパワーと、あくまで“ショーファーカー”としての乗り心地と余裕を重視したチューニングがなされています。加速時もほとんど音がせず、まるで電動車のようにスムーズな走行フィールが特徴です。
足回りにはエアサスペンションを採用し、路面からの突き上げや揺れを最小限に抑えるよう設計されています。ボディ剛性も極めて高く、遮音材や吸音材が車内全体に贅沢に使われているため、走行中も驚くほど静かです。ステアリング操作やアクセルレスポンスも極めて緩やかで、後席に乗る人に不快なショックや振動を与えないことが最優先されています。
製造は、トヨタの匠が集う「元町工場」で一台一台、熟練工によって手作業で行われ、年間の生産台数も非常に限られています。塗装は7回以上の手塗りと鏡面磨きが施され、塗装面はまるで漆のような深みと光沢を放ちます。この手間のかかる製法こそが、センチュリーの唯一無二の価値を生み出している要素の一つです。
安全面では最新の「Toyota Safety Sense」が搭載されており、自動ブレーキやレーンキープアシスト、レーダークルーズコントロールなど、最高峰の安全性能を備えています。外見は伝統的であっても、機能は最先端です。
トヨタ センチュリーは単なる高級車ではなく、日本の文化、職人技、美意識、そしてもてなしの心が凝縮された移動空間です。政治家や皇室関係者、企業トップなど、ごく限られた人々が選ぶ車として、今なお特別な地位を保ち続けています。購入するためには一般のトヨタディーラーではなく、特定の販売チャネルに限られ、商談も形式的なものではなく、まさに“選ばれし者のための車”といえるでしょう。

スバル:WRX
■スバル:WRX
スバル WRXは、世界ラリー選手権(WRC)で培ったモータースポーツ技術をベースに生まれた高性能スポーツセダンで、「走る歓び」をストレートに体現するスバルの象徴的存在です。元々は「インプレッサ WRX」として誕生しましたが、2014年のフルモデルチェンジでインプレッサから独立し、「WRX」という独立した車名となりました。現行型は2021年に発表された2代目(日本国内では4代目相当)で、走行性能と日常性の両立を追求しながら、デザインや装備の面でも大きな進化を遂げています。
エクステリアは筋肉質でワイドなプロポーションが特徴で、フロントには大型エアインテークと精悍なLEDヘッドライトを装備。ボンネット中央にはターボチャージャーに新鮮な空気を供給するためのエアスクープが備わり、そのルーツがターボ付きAWDスポーツであることを強調しています。リアにはダックテール形状のトランクスポイラーや専用デザインのLEDテールランプ、デュアルマフラーが配され、力強くも洗練された印象を演出しています。
内装はスポーティさと快適性のバランスが絶妙に保たれており、ドライバー中心の設計が施されています。専用スポーツシートやD型ステアリング、大型の11.6インチ縦型センターディスプレイが装備され、視認性と操作性に優れています。また、素材感や造形も年々上質さが増しており、長距離ドライブにも対応できる快適性も確保されています。シートのホールド性は高く、運転中の身体のズレをしっかり抑え、スポーツ走行時にも安定した姿勢を保てます。
パワートレインは2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジン「FA24」を搭載し、最高出力275PS、最大トルク375Nmを発揮。スバル独自のシンメトリカルAWD(全輪駆動)との組み合わせにより、どんな路面状況でも高いトラクション性能と安定性を実現しています。トランスミッションには6速マニュアルとスバルパフォーマンストランスミッション(CVT)が用意され、MTならではのダイレクトな操作感と、CVTの滑らかでスムーズな走りを選ぶことができます。
シャシーにはスバルの最新プラットフォーム「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」をベースにした強化構造が採用されており、高剛性かつしなやかな足まわりを実現。コーナリング時の応答性や、荒れた路面での接地感も大幅に向上しています。また、電子制御ダンパー付きの「WRX S4 STI Sport R EX」などのグレードでは、走行状況に応じて減衰力を制御することで、より高次元の快適性とスポーツ性を両立しています。
安全性能もスバルの特徴のひとつで、最新の「アイサイトX」を搭載。ステレオカメラに加え、高精度マップとGPS、ミリ波レーダーを組み合わせた高度運転支援システムで、高速道路でのハンズオフ支援やアクティブレーンチェンジアシスト、緊急時の停止支援機能など、先進機能が満載です。スポーツセダンでありながら、家族やパートナーを安心して乗せられる安全性を備えている点も、WRXの大きな魅力です。
スバル WRXは、単なる速い車ではなく、全天候型スポーツセダンとしての万能性、ラリー由来の本格的な走行性能、そして日常での扱いやすさを高次元で融合させた稀有な存在です。運転の楽しさを追求するドライバーにとって、いつまでも走っていたくなるような一台であり、特別なスポーツセダンとして、今なお多くのファンを魅了し続けています。

日産:スカイライン
■日産:スカイライン
日産スカイラインは、日本の自動車史において極めて特別な地位を占めるスポーツセダンであり、そのルーツは1957年に登場した初代プリンス・スカイラインにまで遡ります。もともとは高性能な乗用車として誕生し、その後、日産との合併を経てモータースポーツやハイパフォーマンス路線へと進化していきました。特にGT-Rを冠したモデルは世界中にその名を轟かせましたが、現在のスカイラインは独立したラグジュアリー&スポーツセダンとして進化を続けています。
現行スカイライン(V37型)は、2014年に登場し、その後も幾度かのマイナーチェンジを受けて進化してきました。日産が北米向けに展開する「インフィニティQ50」と基本構造を共有しつつ、日本市場では伝統ある“スカイライン”の名を受け継いで販売されているモデルです。デザインはスポーティかつ洗練された雰囲気で、ワイドなグリルと精悍なLEDヘッドライト、滑らかなサイドライン、そしてクーペライクなリアビューが特徴です。2023年の最新改良では、グリルやエンブレムのデザイン変更により「NISSAN」ブランドの新世代感を強く打ち出しています。
インテリアは高級感と機能性を両立させたレイアウトで、上級グレードでは本革シートや本木目パネルが採用され、しっとりとした手触りと落ち着いた空間を提供します。中央には2つのディスプレイを配置したデュアルスクリーン構成が特徴で、上段はナビやカメラ、下段は空調やオーディオ操作を担当するなど、操作性も意識された構造になっています。また、2022年以降のモデルではApple CarPlay(ワイヤレス)やAndroid Autoにも対応し、スマートフォンとの連携もスムーズです。
パワートレインには2つの主要なエンジンが用意されています。ひとつは、3.0L V6ツインターボ(VR30DDTT)を搭載したハイパフォーマンスモデルで、400Rというグレード名のとおり、最高出力405PS、最大トルク475Nmを発揮します。0-100km/h加速はおよそ5秒前後とされ、国産セダンではトップクラスの加速性能を誇ります。もうひとつは、2.0L直列4気筒ターボ+モーターを組み合わせた「ハイブリッド」仕様で、エンジンとモーターの協調による滑らかな加速と静粛性、そして優れた燃費性能が魅力です。
走行性能においては、フロントミッドシップに近い重量バランス、ダブルウィッシュボーンサスペンション、マルチリンク式リアサスにより、高速安定性とコーナリング性能を高次元で両立しています。電子制御システムでは、DAS(ダイレクトアダプティブステアリング)という世界初のステアバイワイヤ技術を搭載したモデルもあり、状況に応じてステアリングフィールを制御できるという、未来的な運転感覚を体験することが可能です。
安全面でも、プロパイロット(運転支援システム)をはじめ、アラウンドビューモニター、インテリジェントクルーズコントロール、エマージェンシーブレーキなどが装備されており、長距離ドライブや渋滞時の運転負担を大きく軽減してくれます。特に高速道路での運転支援においては、非常にスムーズで安心感のある制御が特徴です。
スカイラインは、スポーツ性能と高級感、実用性をバランス良く備えたセダンとして、長年にわたり支持されてきた車です。その存在は単なる移動手段にとどまらず、「運転する楽しさ」を教えてくれる希少な国産モデルのひとつと言えます。特に400Rのようなパフォーマンス志向のモデルは、GT-Rに憧れながらも実用性を重視したい層にとって、最適な選択肢となるでしょう。今後の電動化時代に向けた展開も注目されており、スカイラインという伝統ある名前がどのように進化していくのか、多くのファンが期待を寄せています。

メルセデスベンツ:Sクラス
■メルセデスベンツ:Sクラス
メルセデス・ベンツ Sクラスは、世界中のラグジュアリーカーの頂点に君臨するフラッグシップセダンであり、高級車の「基準」として長年にわたり自動車業界をリードし続けてきた存在です。その歴史は1950年代の「ポンツーン」時代にまで遡り、現在のSクラスは2020年に登場した最新型(W223型)で、技術、快適性、安全性すべてにおいて最先端を行くモデルです。
外観は、風格と先進性を絶妙に両立させたデザインが特徴です。フロントには大きなメルセデスエンブレムと堂々としたグリルが配され、流れるようなボディラインとクーペのように滑らかなルーフラインが美しいシルエットを描きます。リアにはLEDテールランプが横一文字にデザインされ、モダンでありながらも品格を損なわない仕上がりとなっています。ボディサイズは全長5,200mmを超えるロングボディも設定され、圧倒的な存在感を放ちます。
インテリアはまさに“移動するラグジュアリーホテル”。センターには巨大なOLEDタッチスクリーンが縦型に配置され、すべての操作を直感的に行うことが可能です。インテリア素材にはナッパレザーや本木目、アルミ、アンビエントライトなどがふんだんに使用され、目に入るすべてが洗練されています。シートはマッサージ機能や温冷調整付きで、リアシートにはリクライニングやオットマンが備わるエグゼクティブ仕様もあり、まるでファーストクラスのような快適性を提供します。
パワートレインは、直列6気筒エンジン(S 500 4MATICなど)やV8ツインターボエンジン(S 580 4MATIC)、さらにはハイブリッドやプラグインハイブリッド仕様まで幅広くラインアップされ、滑らかかつ力強い走行性能と静粛性を両立。すべてのモデルが9速AT(9G-TRONIC)を採用し、どんな速度域でもスムーズな変速とリニアな加速を実現しています。また、エアマチックサスペンションと4輪操舵システムによって、重量級ボディを感じさせない軽快なハンドリングとしっとりとした乗り心地が得られます。
安全性能も圧倒的で、最新の「ドライビングアシストパッケージ」には自動緊急ブレーキ、アクティブステアリングアシスト、緊急回避支援機能、さらには万が一の側面衝突時に車体を持ち上げて被害を軽減する「PRE-SAFE インパルスサイド」など、想像を超えるレベルの予防安全技術が搭載されています。また、AR(拡張現実)ナビや3Dコックピットディスプレイといった未来的な装備も充実しており、運転支援と先進性を両立しています。
快適装備としては、64色から選べるアンビエントライト、Burmester製3Dサウンドシステム、香り付きエアコン機能(AIR-BALANCE)、ジェスチャー操作など、乗る人すべてを満足させるテクノロジーが満載です。ドライバーだけでなく、後席で過ごす乗員にとっても、すべてが一級品のもてなしで包まれています。
メルセデス・ベンツ Sクラスは、単に高級な車という枠を超え、「移動という行為に新たな価値を与える車」として、あらゆるライバルを引き離しています。社用車として、迎賓車として、あるいは個人の究極の移動空間として、他の追随を許さない完成度を誇る、世界最高峰のセダンです。

メルセデスベンツ:Eクラス
■メルセデスベンツ:Eクラス
メルセデス・ベンツ Eクラスは、上質な快適性と高い実用性、そしてメルセデスらしい洗練されたデザインと先進技術を兼ね備えたプレミアムセダンです。Sクラスほど大きくはないものの、ビジネスからプライベートまで幅広いニーズに対応できる万能な1台であり、長年にわたって「理想の高級セダン」として世界中で高い評価を受けています。現行モデルは2023年に登場した新型(W214型)で、6代目にあたります。
外観は一目でメルセデスと分かる洗練されたデザインで、丸みを帯びたボディラインとシャープなLEDヘッドライトが融合した上品かつモダンなスタイルが特徴です。フロントグリルは2種類(クラシックなバー付きグリルとスポーティなAMGライン仕様)から選べ、グレードによって雰囲気が大きく変わります。全体的には落ち着きがありつつも、堂々とした風格を備えたデザインとなっています。
インテリアは最新の「MBUXスーパースクリーン」が採用され、運転席から助手席まで横一面に広がるデジタルパネルが未来感を演出します。ディスプレイの操作性は直感的で、AIによる学習機能も搭載。音声認識も進化しており、「ハイ、メルセデス」で始まるコマンド操作で多くの機能を呼び出せます。シートや内装トリムには上質な素材が使用され、心地よいアンビエントライトや高性能な空調システムなど、快適性をとことん追求した仕上がりになっています。
パワートレインはガソリン、ディーゼル、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド(PHEV)など多彩にラインアップされ、欧州を中心に高い環境性能と走行性能を両立しています。日本市場では直列4気筒エンジンにISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッド仕様が中心で、スムーズかつ力強い加速と優れた燃費性能を実現しています。9速AT(9G-TRONIC)の変速フィールも滑らかで、どんな場面でも安心してドライブできます。
走行性能は、しなやかで安定した乗り心地と、コーナリング時の確かなグリップ感が印象的です。エアサスペンションや4輪操舵機構(リア・アクスルステアリング)も採用され、街乗りから高速クルージングまで快適そのもの。静粛性も高く、長距離移動でも疲れにくいセッティングがなされています。運転支援機能も大変充実しており、高速道路でのアクティブステアリング、車線変更支援、渋滞時のアシスト機能などがドライバーをしっかりとサポートします。
安全装備には最新の「ドライビングアシスタンスパッケージ」が搭載され、自動ブレーキや車間距離維持、衝突被害軽減などのシステムが高精度に作動します。また、AR(拡張現実)ナビやヘッドアップディスプレイなど、視認性を高める先進機能も搭載されており、運転のしやすさと安全性を両立しています。
Eクラスは、まさに「ちょうど良い」メルセデスです。Sクラスのような絶対的な威厳はないものの、質感、快適性、実用性、そして走行性能のすべてがバランス良く整っており、ビジネスユースでもプライベートでも活躍できる万能なプレミアムセダンです。特に新型ではデジタル面の進化が著しく、従来型よりもさらに若々しく、先進的な魅力が加わっています。高級車の世界において、真に安心して乗れる「王道」の1台として、多くの支持を集めるモデルです。
メルセデスベンツ:CLSクラス
■メルセデスベンツ:CLSクラス
メルセデス・ベンツ CLSクラスは、「クーペのように美しく、セダンのように快適」な4ドアクーペという新しいジャンルを築いた革新的なモデルです。2004年に初代が登場して以来、流麗なデザインと上質な走行性能を両立したプレミアムカーとして、多くのファンを魅了してきました。現行型は3代目(C257型)で、2018年にデビューし、その後の改良でさらに洗練されたスタイルと機能性を備えています。
外観の最大の特徴は、ルーフからトランクリッドまでなだらかに続く流線型のシルエットです。この「ファストバック・クーペ」スタイルにより、スポーティでエレガントな印象を与えながらも、4ドアの実用性をしっかりと確保しています。フロントにはシャープなLEDヘッドライトとダイヤモンドグリルが配され、低くワイドな構えが精悍さと高級感を両立。リアデザインも一体感のあるLEDテールランプや抑揚のあるラインによって、上質な印象を強く残します。
インテリアは、メルセデスの上位モデルらしいラグジュアリーな空間が広がり、細部にまでこだわった素材と質感が特徴です。デュアル12.3インチワイドスクリーンを組み合わせたコックピットは、先進的かつスタイリッシュ。アンビエントライトやジェスチャー操作、MBUX音声認識機能なども装備され、乗るたびに最新技術と快適性を体感できます。シートは低めの着座位置でスポーティなドライビングポジションを実現しながらも、長距離ドライブでも疲れにくい設計になっています。
パワートレインには直列6気筒エンジンをベースに、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッド仕様(CLS 450 4MATICなど)が中心。最高出力367PS、最大トルク500Nmを発揮し、スムーズで力強い加速を実現しています。電動モーターの補助により、エンジン始動や加速が驚くほど静かで滑らかになり、走りの上質さが格段に高まっています。また、9速AT(9G-TRONIC)との組み合わせで燃費性能と快適性のバランスも優秀です。
走行性能は、メルセデスらしい快適性とスポーティさの絶妙なバランスが光ります。4MATIC(フルタイム四輪駆動)による安定したトラクション性能に加え、エアボディコントロール(エアサスペンション)装着車では、走行状況に応じて減衰力や車高が自動調整され、快適な乗り心地と俊敏なハンドリングの両立が可能です。車体はワイド&ローなスタンスを持ち、コーナリング時の安定感も高く、高速巡航時には極めて静粛で安心感のある走行フィールが得られます。
安全性能も抜かりなく、最新の「インテリジェントドライブ(ドライビングアシスタンスパッケージ)」が標準装備されます。これにより、アクティブブレーキアシスト、アクティブステアリングアシスト、アクティブレーンチェンジアシスト、アダプティブクルーズコントロールなど、多彩な運転支援機能が搭載され、高速道路から市街地まであらゆるシーンで高い安全性を実現します。
CLSクラスは、ただのセダンでも、ただのクーペでもありません。そのスタイリッシュな美しさ、ドライバー中心の設計、そして先進技術によって、「走る歓び」と「見る歓び」を兼ね備えた一台です。日常を特別にするデザイン性と、長距離移動でも疲れさせない上質な走行性能が融合したCLSは、自分だけの個性と美意識を大切にする大人にこそふさわしい、極めて完成度の高いプレミアムカーといえるでしょう。

BMW:5シリーズ セダン
■BMW:5シリーズ セダン
BMW 5シリーズは、スポーティな走行性能と上質な快適性を兼ね備えたプレミアム・エグゼクティブセダンとして、1972年の初代登場以来、世界中で高い評価を受けてきたBMWの中核モデルです。ビジネスパーソンに愛される一方で、ドライビングプレジャーも重視されており、実用性と運転の楽しさを高次元で融合したバランスの良さが最大の魅力です。2023年には8代目となる新型(G60型)が発表され、電動化やデジタル技術を大幅に進化させながら、新たなステージへと進化しました。
エクステリアは、従来のスポーティさを保ちつつも、より洗練されたモダンな印象に仕上げられています。ロングノーズ&ショートオーバーハングの伝統的なプロポーションを継承しながらも、フロントグリル(キドニーグリル)はより大きく、かつフラットな形状となり、BMWらしい存在感を放ちます。サイドはシャープなキャラクターラインが流れ、リアはワイドで安定感のある印象を演出。高級感とスポーティさを両立させた、完成度の高いデザインです。
インテリアは最新のBMWカーブド・ディスプレイを中心に構成され、12.3インチのデジタルメーターと14.9インチのインフォテインメント画面が一体化され、未来的で高機能なコクピットを実現しています。操作系は「iDrive 8.5」へと進化し、音声認識やジェスチャーコントロール、タッチ操作にも対応。アンビエントライトやガラスパネルのトリム、上質なレザーシートなど、素材や仕上げにも抜かりがなく、ドライバーにも同乗者にも快適な空間が広がります。
パワートレインは非常に多彩で、直列4気筒や直列6気筒のガソリン/ディーゼルエンジン、48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド(530e)、そして完全な電気自動車モデル「i5」までをラインアップ。ガソリンモデルではキレのある加速と軽快なレスポンス、ディーゼルモデルでは低回転域からのトルクフルな走り、PHEVでは電動走行の静粛性とエンジンの力強さを両立させています。i5は航続距離も500km以上を実現し、環境性能を重視する層にも強く訴求しています。
走行性能は、BMWならではの「駆けぬける歓び」を実感できる仕上がりで、前後50:50の理想的な重量配分、低重心設計、優れたシャシー剛性により、高速安定性とコーナリング性能が非常に高く、日常からワインディングまで幅広く楽しめます。特にMスポーツ系グレードではスポーツサスペンションや専用ブレーキが搭載され、より俊敏なドライビングフィールが得られます。乗り心地も洗練されており、コンフォート性とスポーティさが見事に両立しています。
安全機能・運転支援システムも充実しており、「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」にはアクティブクルーズコントロール、ステアリング&レーンコントロールアシスト、緊急回避支援、後方衝突警告など多彩な先進機能が搭載されています。さらに、リバースアシスト(直前の走行ルートを自動でバックする機能)やパーキングアシストなど、日常でも安心感を高める装備が揃っています。
BMW 5シリーズは、洗練された外観と最先端のテクノロジー、そして何よりも“運転する楽しさ”を妥協なく追求したセダンです。高級車としての気品と、スポーツカーのような俊敏さをあわせ持ち、あらゆるシーンで期待を超えるパフォーマンスを提供してくれる一台として、常にクラスをリードし続けています。ビジネス用途にも、趣味のドライブにも最適な、完成度の高いプレミアムカーです。

アウディ:A7スポーツバック
■アウディ:A7スポーツバック
アウディ A7 スポーツバックは、美しさと機能性、先進技術を高次元で融合させたプレミアム4ドアクーペで、アウディの中でも特にデザイン性の高いモデルとして位置づけられています。2010年に初代が登場して以降、「クーペのように美しく、セダンのように快適で、ワゴンのように実用的」という3つの要素を兼ね備えた“スポーツバック”という独自のスタイルを確立し、世界中で人気を集めています。現行モデルは2代目で、2018年に登場し、アウディの最新デザイン言語とテクノロジーが盛り込まれた完成度の高い1台に仕上がっています。
外観の最大の特徴は、流麗なファストバックスタイルです。フロントはシャープなマトリクスLEDヘッドライトとワイドなシングルフレームグリルで構成され、精悍で近未来的な表情を演出。サイドビューは低く長く伸びるルーフラインと絞り込まれたリアフェンダーがエレガントな印象を強調し、スポーティでありながら上品さも併せ持っています。リアには一文字型のLEDテールライトと可動式の電動スポイラーが装備されており、見た目だけでなく空力性能にも貢献しています。
インテリアはアウディらしいミニマルで洗練されたデザインが貫かれており、上質な素材と最先端テクノロジーが共存する空間です。デジタルメーター「バーチャルコックピット」や2つの大型タッチディスプレイ(上段:インフォテインメント、下段:エアコンや座席調整などの操作)を組み合わせた「MMIタッチレスポンス」により、物理スイッチを極力排除しながらも直感的な操作を可能にしています。アンビエントライトやアロマ機能、B\&Oの高音質オーディオなど、細部にまでこだわった上質な演出も魅力です。
パワートレインは、直列4気筒 2.0Lターボ(A7 45 TFSI)と、V型6気筒 3.0Lターボ+マイルドハイブリッド(A7 55 TFSI)をラインアップし、どちらも7速Sトロニック(DCT)とquattro(四輪駆動システム)を組み合わせています。45 TFSIでも十分に力強く、日常使いにおいても静粛性やスムーズさに優れていますが、55 TFSIはより余裕のある加速と上質な走行フィールを提供し、まさにラグジュアリースポーツとしての真価を発揮します。マイルドハイブリッドシステム(48V)はエンジンの始動や加減速を滑らかにし、燃費向上や快適性の向上にも寄与しています。
走行性能においては、しなやかなサスペンションと低重心なボディ構造により、高速域での安定感やワインディングでの俊敏な挙動が際立ちます。アダプティブエアサスペンションを装備するモデルでは、走行モードに応じて車高や減衰力を自動調整し、コンフォートとスポーツ性の両立が可能です。また、四輪操舵システム(ダイナミック・オールホイール・ステアリング)により、低速域では取り回し性が向上し、高速域では優れた安定性を発揮します。
安全性能も非常に高く、「アウディプレセンス」シリーズを中心とした先進安全・運転支援機能が充実。自動ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援、トラフィックジャムアシストなど、安心してドライブできる装備が揃っています。さらにナイトビジョンアシストや360度カメラなど、高度な支援システムも用意され、プレミアムセグメントにふさわしい安全性が確保されています。
アウディ A7 スポーツバックは、スポーツカーのようなスタイルとドライビングフィール、セダンの快適性、そしてワゴンに匹敵する実用性を兼ね備えた、極めて完成度の高い4ドアクーペです。誰もが振り返るエレガンスを纏いながらも、日常使いにも対応する懐の深さを持ち、クルマ選びにおいて「美しさ」と「理性」を両立させたい人にとって理想的な一台と言えるでしょう。

アルファロメオ:ジュリア
■アルファロメオ:ジュリア
アルファロメオ ジュリアは、イタリアの名門自動車メーカー「アルファロメオ」が放つプレミアムスポーツセダンであり、ブランドの情熱と走りへのこだわりを象徴するモデルです。2015年に現行型が発表され、それまでの前輪駆動ベースから一新して後輪駆動レイアウトを採用するなど、本格的なドライバーズカーとして再設計されました。BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスなどと競合するDセグメントに属しながら、唯一無二の存在感と感性に訴える走行性能で多くのファンを魅了しています。
エクステリアはイタリア車ならではの流れるようなプロポーションと彫刻的なラインが特徴です。フロントには三角形の「スカデット」と呼ばれる伝統的なグリルが配置され、シャープなヘッドライトと組み合わさることで、凛とした表情を作り出しています。全体的に筋肉質で引き締まったデザインは、セダンでありながらもクーペのような軽快さと美しさを感じさせ、見る人の感性を刺激します。
インテリアはシンプルながらも機能性とスポーティさに重点が置かれており、ドライバー中心のレイアウトが魅力です。丸型のアナログメーターを中心にした伝統的なスポーツカーのような雰囲気がありつつ、近年のモデルではデジタルディスプレイやインフォテインメント機能も進化。上質なレザーやアルミ、カーボンファイバーなどの素材がふんだんに使われ、イタリア車ならではの高級感と洗練された空気感が漂います。運転席に座ると、ただのセダンとは違う「特別なクルマに乗っている」という高揚感を感じさせます。
パワートレインには2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、280PSというパワーを発揮。8速ATとの組み合わせで、0-100km/h加速は約5.7秒と、セグメント内でも高水準の俊足を誇ります。さらに、ハードコアな性能を求めるドライバーには、フェラーリ由来の2.9L V6ツインターボエンジンを搭載する「ジュリア・クアドリフォリオ」が用意されており、こちらは最高出力510PS、0-100km/h加速は3.9秒という本格スポーツカー顔負けのスペックを誇ります。いずれのモデルも後輪駆動が基本で、理想的な前後重量配分(50:50)と軽量ボディによって、走行性能は非常にシャープでダイレクトです。
走りの面では、ステアリングフィールが非常に軽快かつ正確で、まるで自分の意志がそのままクルマに伝わるような一体感があります。足まわりも引き締まっており、路面のインフォメーションをしっかりと感じながらも、不快な突き上げを抑えた絶妙なバランスです。クアドリフォリオではアクティブサスペンションやトルクベクタリング、カーボン製ブレーキなどが装備され、まさにサーキット走行も可能なレベルに仕上がっています。
安全装備も充実しており、アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱警報、ブラインドスポットモニター、緊急自動ブレーキなどの運転支援機能を装備。2020年以降のモデルではインフォテインメントのタッチ操作対応やドライバーアシスト機能の強化も図られ、日常使いにおいても安心して乗ることができます。
アルファロメオ ジュリアは、単なる移動手段ではなく、「運転する喜び」そのものを提供する一台です。ドライバーとの対話性を重視し、デザイン、走行性能、情熱すべてが詰め込まれたこのモデルは、量産車でありながらも工芸品のような存在感を放っています。理性ではなく感性でクルマを選びたい人にとって、ジュリアはまさに「走る芸術」と呼ぶにふさわしいスポーツセダンです。

キャデラック:CT5
■キャデラック:CT5
キャデラック CT5は、アメリカを代表する高級車ブランド「キャデラック」が放つプレミアムスポーツセダンで、洗練されたスタイルと力強い走行性能、そしてラグジュアリーな快適性を融合したモデルです。2019年に登場し、CTSの後継としてDセグメントに投入されました。BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラス、アウディ A4といった欧州の名門セダンに真っ向から挑むモデルとして、アメリカ車らしい独自の個性と存在感を打ち出しています。
エクステリアは、キャデラックの「エスカラ・コンセプト」をルーツとするデザイン言語が採用されており、直線的で力強いラインとワイドなスタンスが印象的です。フロントには縦型LEDデイタイムランニングライトが備わり、シャープで未来的な表情を形成。クーペのように緩やかに傾斜したルーフラインと短めのリアオーバーハングが、スポーティさとエレガンスを両立させています。リアエンドは立体感のあるテールランプやシンプルなバンパーデザインによって、洗練された雰囲気を演出します。
インテリアは、アメリカ車らしいゆとりある空間設計と現代的なテクノロジーが融合しています。中央には10インチのHDタッチスクリーンが配置され、最新のインフォテインメントシステム「Cadillac User Experience(CUE)」が搭載されています。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応し、スマートフォンとの連携もスムーズです。上質なレザー、リアルウッドやアルミのトリムなどを使用し、プレミアムカーとしての質感も十分。さらに、BOSEの高音質サウンドシステムやマッサージ機能付きシートなど、快適性を高める装備も豊富です。
パワートレインには、2.0L直列4気筒ターボエンジン(237hp/最大トルク350Nm)を標準装備し、日常的なドライブでは十分な加速性能と燃費性能を発揮します。また、より高いパフォーマンスを求めるユーザーには、3.0L V6ツインターボエンジン(335hp/最大トルク542Nm)を搭載した「CT5 V」も用意され、スポーティな走りを楽しむことができます。いずれのモデルも10速ATと組み合わされ、スムーズで効率的なギアチェンジにより、静粛性と動力性能を両立しています。
走行性能は、アメリカ車らしからぬ“欧州的な”ハンドリングの良さが評価されており、俊敏なステアリングレスポンスとしっかりとした足回りが特徴です。後輪駆動を基本に、AWD(全輪駆動)モデルも用意されており、雪道などの悪路にも対応可能。さらに「マグネティックライドコントロール(電子制御ダンパー)」や「パフォーマンス・トラクション・マネジメントシステム」など、ハイエンドモデルには本格的なスポーツ走行にも対応できる装備が備わっています。
安全性能も充実しており、前方衝突警告、自動緊急ブレーキ、車線維持支援、ブラインドスポットモニターなどを含む先進運転支援システムが搭載されています。さらに、キャデラック独自の自動運転支援技術「スーパークルーズ」も一部市場で導入されており、条件付きでのハンズオフ運転が可能となるなど、未来志向の技術も積極的に取り入れています。
キャデラック CT5は、欧州の高級セダンとはひと味違う魅力を持ったモデルで、重厚感あるスタイル、豪華な内装、そして妥協のないパフォーマンスが魅力です。洗練と力強さを両立したアメリカ流のプレミアムセダンとして、日常から週末のドライブまであらゆるシーンに対応し、他とは違う個性を求めるドライバーにこそふさわしい一台です。

ボルボ:S90
■ボルボ:S90
ボルボ 新型S90(=第2世代S90の2025年ファイナルフェイスリフトモデル)は、デザインと質感の両面で大幅に進化した高級サルーンです。
外観には2024年XC90と同様の新フロントフェイスが採用され、より洗練された表情に。最新のLEDヘッドライトユニットやグリルデザインが威厳を高めています。
インテリアには11.2インチの新型センターインフォテインメントディスプレイが導入され、中央タワーコンソール周辺の質感もアップ。現代的かつ操作性の高い空間へ刷新されています。
パワートレインは、B6(2.0L 4気筒ターボ+スーパーチャージャー/マイルドハイブリッド)、T8(プラグインハイブリッド、以前のRechargeの後継)という構成。T8はプラグインハイブリッドのまま継続し、電動による滑らかな走行フィールと航続性能を両立しています。
走りと快適性の面では、全モデル標準で48Vマイルドハイブリッド(軽度電動システム)が採用され、滑らかな出だしと回生ブレーキによる燃費改善を実現しています(ベースEPA数値:市街地23mpg、高速31mpg、総合26mpg)。
プラグインハイブリッド(T8)は約38マイル(約61km)のEV走行が可能で、10速AT搭載車と組み合わされ、快適で力強い加速を実現。市街地燃費は約28mpg、総合では66 MPGeと高い効率性を持ちます。
インテリアは、広い室内と上質感が際立ち、後席レッグルームは40.4インチ(約102.6cm)と同クラス最大級。4ゾーンの独立気候管理、前後席シートヒーター、オプションでナッパレザーやクリスタルシフトノブ(高級感演出)などを装備。
安全面では、ボルボ伝統の「先進運転支援&安全技術」が引き続き搭載されており、360°カメラ、BLIS(ブラインドスポット)、自動ブレーキなど基本装備が充実。静粛性も高く、「ラグジュアリークラスの快適性」を強調する設計です。
価格は米国市場でB6 Plusが約59,500 USDから、最上級のT8 Ultra Bright Themeは約72,400 USDからと設定されています。実勢価格はMSRPよりやや低くなる傾向です。
一方、グローバル販売を見ると、このフェイスリフトモデルは北米、欧州、豪州では販売終了が決まっており(2025年モデルが最終)、今後はES90という電気セダンに置き換わる予定です。

ジャガー:XE
■ジャガー:XE
ジャガーXEは、英国らしいエレガンスと運転の歓びを極めたプレミアム・コンパクトセダンで、その軽快な操縦感とアルミニウム構造により、同クラスでも突出した存在感を放ちます。
1999年以来、インテリアはドライバーに集中された設計で、ホールド性の高いスポーツシート、D型ステアリング、大型タッチスクリーン(Pivi Pro搭載10インチ+5.5インチ)を中心に据えたコックピットは、視認性と操作性に優れています。
シャシーはアルミを多用した軽量構造(単体フレームとサブフレーム)を採用し、前後ほぼ50:50の重量配分と低重心化を実現。ニーリング当社比最小限のステアリング応答は「非常にバランスが取れていて、コーナーでの手応えが豊か」と評価されています。
エンジンは主に2.0L Ingeniumターボ4気筒(最大340PS仕様もあり)、マイルドハイブリッド搭載で滑らかな加速と環境性能に優れています。8速ATとの組み合わせで、ほとんどのモデルが0‑100km/hを6秒台前半で駆け抜けます。
動的な面ではストリートでもワインディングでも楽しい走りを提供し、クルーズ中もアダプティブクルーズ+レーンキープ、ヘッドアップ、360度カメラなど、快適装備も充実。静粛性はやや劣る面があり、高速ではタイヤノイズが目立つとの声もありますが、その“スポーティな味付け”も評価されています。
室内空間は前席は快適で広く感じられますが、後席の頭上・足元スペースは同クラスと比較してやや狭く、370~394リットル程度のトランク容量も控えめです。
インフォテインメントシステムは最新のPivi Proで、OTAアップデート対応。Apple CarPlay/Android Auto、Amazon Alexa連携も標準装備。ドアスタートボタンがまるでジャガーの鼓動(72bpm)を模したように脈動する演出も話題になりました。
このXEは2024年中頃をもって生産終了となり、2025年以降は完全電動化へ移行するジャガーブランドの象徴的“最後の内燃機関セダン”となります。
総じてジャガーXEは「軽快なハンドリング」と「英国的上質感」を存分に味わえるドライバーズセダン。最新技術ではドイツ勢に一歩譲る点もありますが、その個性と価格の優位性で、運転の喜びを重視する人には魅力的な選択肢です。

ジャガー:XF
■ジャガー:XF
ジャガー XFは、英国の伝統的なエレガンスと現代的なスポーティ性能を融合させたプレミアム・ミッドサイズセダンです。乗る人すべてに魅力を感じさせる仕上がりには、デザインと走りの両軸が深く関わっています。
ボディは軽量アルミ素材を多用し、フロント/リアでほぼ50:50の理想的な重量バランスを実現。結果として、高い応答性と安定したコーナリング性能を備え、「俊敏でありながら落ち着いた」ドライビングフィールが得られます。
パワートレインは、2.0Lターボ4気筒 Ingenium エンジンを搭載し、246psのP250と296psのP300という2種の出力設定があります。P250は後輪駆動で気軽に扱える性能、P300はAWDと組み合わせて0‑100km/h加速が約6.5秒と俊足です。
インテリア空間は広く、前席は37.5インチのヘッドルーム、41.5インチのレッグルームを確保。後席も38インチと37.7インチと余裕があり、快適性に優れた設計となっています。シートにはマッサージ機能やシート調整機構も備え、長距離移動でも疲れにくい仕様です。
装備面では、最新世代のインフォテインメントや高級トリム、充実の運転支援機能が標準装備。3Dサラウンドカメラやヘッドアップディスプレイなど、利便性と安全性の両面をしっかりカバーしています—Redditユーザーからも「3Dサラウンドカメラシステムは市場最高クラス」との評価があります。
ただし、トランク容量や収納スペースはクラス標準並みでやや控えめ。また一部レビューでは「操作系が直感的ではない」との指摘もあるものの、質感や乗り心地、ドライビングの楽しさに関しては総じて高評価です。
なお、現行XF(第2世代:X260型)は2024年で内燃機関モデルの国内向け生産終了が近く、ジャガーは完全電動化への移行を進めています。現行モデルは「最後のガソリン/軽ハイブリッド搭載ジャガーセダン」として、コレクターズ的価値も高まっています。
総じて、ジャガーXFは「英国的な気品」と「ドライバーズカーとしての純度」を両立させた貴重なセダンです。ドイツ系ライバルとは一線を画すキャラクターと、内燃最後のモデルとしての希少性を求める方には、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

プジョー:508
■プジョー:508
プジョー508は、フランス車ならではの洗練されたデザインと革新的なテクノロジーを融合させたプレミアム・ファストバックセダンであり、スタイル、走り、環境性能すべてにこだわった一台です。2023年のマイナーチェンジによって大きく進化し、特にエクステリアとパワートレインの刷新が注目されています。
外観は新世代プジョーのデザイン言語を取り入れ、より精悍で近未来的な印象を与えます。フロントマスクには新しいエンブレムと横基調のグリルを採用し、特徴的な「3本の爪」型LEDデイタイムランニングライトがアイキャッチとなっています。サイドからリアにかけての流れるようなシルエットはクーペ的な美しさを強調しながらも、セダンとしての実用性をしっかりと保っています。リアのLEDテールランプも同様に新デザインとなり、ナイトビューでもひと目で508と分かる存在感があります。
インテリアは最新のi-Cockpit 3.0を採用し、コンパクトなステアリングホイールと12.3インチのデジタルメーター、さらに最大11インチのタッチディスプレイが組み合わされた先進的な空間です。操作系は洗練されており、OTAアップデート対応や音声アシスタント「OK, Peugeot」にも対応するなど、機能性と直感性を両立。シート素材や内装トリムも上質で、フランス車らしい優雅な雰囲気と快適性を感じさせます。
パワートレインは2種類のプラグインハイブリッド(PHEV)を中心に構成され、1.6Lガソリンエンジンと電動モーターの組み合わせによって、180馬力または225馬力を発揮。EVモードでは約54〜64kmの電動走行が可能で、都市部ではほぼエンジンを使わずに通勤も可能です。また、高性能グレードの「PSE(Peugeot Sport Engineered)」は360馬力を誇るハイパフォーマンスモデルで、0-100km/h加速は5.2秒というスポーツカー並みの加速性能を持ちます。
シャシーは高剛性のEMP2プラットフォームをベースに、サスペンションはスポーティさと快適性を両立するセッティング。ステアリングはダイレクトで、コーナリング時の安定感と反応の良さが際立ちます。PHEVモデルには走行モード切替機能も備わっており、EV、ハイブリッド、スポーツとシーンに応じた最適な走りが選べます。
安全装備も充実しており、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、ブラインドスポットモニター、360度カメラ、夜間歩行者検知機能付きのナイトビジョンなど、最先端の運転支援技術が多数搭載されています。特に高速走行時の安定性と視認性は高く、長距離ドライブでも安心して運転できます。
室内の快適性も高く、前席はもちろん、後席も大人が十分にくつろげる空間を確保。トランク容量はセダンで約487L、ステーションワゴン(SW)では530Lを超える広さを誇り、荷物が多いシーンにも対応します。静粛性も高く、遮音ガラスやボディ剛性の高さが奏功して、高速道路でも快適な移動が可能です。
なお、現行508はプジョーにとって最後の内燃機関モデルのひとつであり、2024年末をもってPHEVを含む生産が終了予定。今後は「E-508」など完全電動モデルへと移行が進む見込みであり、現行型は“ガソリンと電動の共存を最後に実現したプレミアムモデル”として、将来的にも価値が高まる存在といえるでしょう。ヨーロピアンデザイン、快適性、環境性能、そして走りの愉しさを求める人にとって、プジョー508は個性と実用性を高いレベルで満たす珠玉の一台です。

マセラティ:ギブリ
■マセラティ:ギブリ
マセラティ ギブリは、イタリアの名門マセラティが手掛けるプレミアムスポーツセダンで、スタイリング、パフォーマンス、音、クラフトマンシップといった情熱的な要素を兼ね備えた一台です。BMW 5シリーズやメルセデス・ベンツ Eクラスと同じミッドサイズセグメントに属しながらも、明確に“違い”を感じさせる存在として、ドライバーの感性に訴えかけます。2013年に登場した現行世代は、2020年にフェイスリフトを受け、内外装の質感や装備、安全性などが大幅に進化しました。
エクステリアは、マセラティの象徴である大きな盾型グリルを中心に、鋭く切れ込んだヘッドライト、なめらかなボンネットライン、そしてクーペのような流れるルーフラインが絶妙に融合し、スポーティでありながら品格を感じさせるデザインに仕上がっています。トライデント(三叉槍)のエンブレムが誇らしく輝き、道ゆく人々の視線を集める存在感があります。リアデザインは水平に広がるテールランプと大径デュアルマフラーによって力強さと優雅さを両立しています。
インテリアは上質な素材がふんだんに使われ、レザー、アルミニウム、ウッド、カーボンファイバーなど、すべてが手触りと見た目の美しさを追求した作りになっています。ダッシュボードはドライバー中心に設計されており、視認性と操作性を両立。中央には大型の10.1インチタッチディスプレイを採用し、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応。音声操作やOTAアップデートにも対応するインフォテインメントシステムが組み込まれています。さらに、Bowers & WilkinsやHarman Kardonのプレミアムサウンドシステムを選択すれば、移動中の音響体験も極上のものになります。
パワートレインには多彩なバリエーションが用意されており、標準の2.0L直列4気筒ターボ+48Vマイルドハイブリッド仕様は330馬力を発揮し、環境性能と走行性能のバランスがとれた構成です。一方、伝統のV6ツインターボモデルは430馬力を誇り、0-100km/h加速は約5秒を切る俊足ぶり。さらにハイエンドの「ギブリ トロフェオ」では、フェラーリ製の3.8L V8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力580馬力、最大トルク730Nmを発揮。0-100km/h加速はわずか4.3秒で、最高速度は326km/hというスーパーカー級のパフォーマンスを誇ります。
シャシーは前後50:50の理想的な重量配分を実現し、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとマルチリンク式リアサスペンションによって、しなやかさと俊敏さを高い次元で両立しています。オプションのスカイフック電子制御ダンパーは、路面状況や走行スタイルに応じて減衰力を調整し、スポーティさと快適性を自在に切り替えることができます。ステアリングフィールも極めてシャープで、コーナーの連続でもクルマとの一体感が得られます。
安全装備も現代水準にしっかりと対応しており、アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援、ブラインドスポットモニター、自動緊急ブレーキ、360度カメラなどを標準またはオプションで装備。ドライバーアシスタンスの面でも安心感が高く、長距離ドライブや高速走行時の疲労を軽減してくれます。
ギブリは2023年で内燃機関モデルの生産が終了し、今後は電動化モデルへと移行することが決まっています。そのため、現行のV6やV8モデルは「最後の純ガソリン・ギブリ」として、将来的にも高いコレクターズバリューが期待されています。特に最終限定車である「ギブリ 334ウルティマ」は、最高速度326km/hを誇り、世界最速セダンとして記録に名を残すモデルです。
マセラティ ギブリは、ただの高級セダンではありません。それは、情熱を感じさせるエンジンサウンド、官能的なデザイン、繊細な走り、そしてイタリアンブランドならではの品格が調和した一台。合理性やスペックだけでは語れない、「感性で選ぶ」セダンとして、他とは一線を画す特別な魅力を放っています。

ベントレー:フライングスパー
■ベントレー:フライングスパー
ベントレー フライングスパーは、最高級のラグジュアリーとスポーツ性能を両立した「世界最強クラス」の4ドアセダンであり、その名前にふさわしく“グランドツアラー”の王座に君臨しています。
ボディは熟成された美しさを湛えるクラシックなフォルムで、力強くもエレガントなラインが特徴。最新世代は「第4世代」として2024年発表、プラグインハイブリッドのみを採用することでW12モデルから脱却しながらも、圧倒的なパフォーマンスを維持しています 。
プラグインハイブリッドは“Speed”グレードに搭載のUltra Performance Hybrid仕様が最高峰。4.0LツインターボV8+190PSモーター/25.9kWhバッテリーのシステム出力782PS、トルク1,000Nmを発揮。0‑100km/h加速は僅か3.5秒、EVモードで約76km走行が可能です 。高出力ながら、静かで滑らか、かつ低燃費を両立した先進のパワートレインです。
インテリアは極上の素材と匠の技が織りなす至高の空間。3Dダイヤモンドステッチのレザー、質感豊かなウッドやメタルトリム、回転式の12.3インチセンターディスプレイなど、テクノロジーとクラフトマンシップが調和。後席はエグゼクティブシート、リクライニング、マッサージ機能、専用トレイなど、ファーストクラス並の快適性を実現しています。
走りはまさに「四輪スーパーカー」。高剛性MSBプラットフォーム、電子制御四輪駆動、リアステアリング、三室式エアサスにより、巨体ながら完璧なハンドリングと乗り心地を両立。高速ではしなやかに滑り、高速旋回では安定性を保ちます 。
静粛性は極上。全ガラスのラミネーション化、アクティブノイズキャンセリング、遮音素材多数採用により、車内はまさに「静謐なる別世界」。マッサージや読書灯などと相まって、優雅な空間が演出されています。
安全・快適装備も充実。ベントレー・ローテーティングディスプレイ、Naimオーディオ、360°カメラ、ハンズフリートランク、エアイオナイザーによる空調機能など、日常を究極のラグジュアリーで満たす装備が網羅されています 。
生産は英国クルー工場で一台一台丁寧に仕立てられ、MullinerやAzure、標準、Speedとグレードごとに仕立ての度合いが異なります。
このように、ベントレー フライングスパーは、贅沢な移動、美しさ、圧倒的なパフォーマンス、そして日常の快適さをひとつにした「世界最上級スーパーブランドセダン」です。移動そのものが“体験”となる至高の一台であり、最高の乗り味を求める方にこそ相応しい選択と言えます。

ロールスロイス:ファントム
■ロールスロイス:ファントム
ロールスロイス ファントム(Phantom VIII)は、現代における究極のラグジュアリーセダンの象徴で、2017年に登場し、2022年にSeries IIへと進化した現世代モデルです。手作業で仕上げられる英国グッドウッド工場製で、顧客の細かな要望に応えるBespoke(ビスポーク)サービスにより、世界で唯一無二の一台を生み出します。
エクステリアは、堂々とした6m弱のロングホイールベースに、薄型「Pantheon」グリルと後開きリア“コーチドア”が特徴的。重厚ながらも品格あるデザインで、存在感と伝統を体現しています 。最新Series IIでは、グリル上部の装飾変更やヘッドライトのスカーレット装飾、アルミホイールなどの洗練が加わりました。
全長はSWBで約5 .76 m、EWB(ロングモデル)では約5 .98 m。室内は前後共に贅沢な広さがあり、総乗員容積は約116 ft³(約3.28 m³)に達します(前席で約41″のヘッドルームとレッグルーム)。
内装最大の魅力は“The Gallery”と名づけられたガラスパネル付きダッシュボード。顧客デザインの芸術作品を展示できるようになっており、パーソナライズ性を極めています。天井にはファイバーライトを用いた“スターライトヘッドライナー”、匠の手で仕立てられたレザー&ウッドトリム、3Dカメラによる最新インフォテインメント、Wi‑Fi、HDヘッドアップディスプレイなど、総合的に最上級の質感を備えています。
エンジンは専用チューニングされた6.75 LツインターボV12(BMW N74B68)。最大出力は約563hp&900 Nmトルク、0‑100 km/h加速はSWBで約5.3秒、EWBでも5.4秒。最高速は制限された250 km/hです。ZF製8速ATにはGPS連動機構が搭載され、地形・速度に応じて最適な変速が行われる設計です。
シャシーはArchitecture of Luxuryアルミスペースフレーム構造。フロントはダブルウィッシュボーン、リアは5リンク、電子制御エアサスペンションと4輪操舵を備え、カメラ連動の路面予測ダンパー“Flagbearer”により、極上の“Magic Carpet ride”を実現しています。さらに、Continental製Silent‑Sealタイヤによって車内騒音は約9dB削減されています。
安全・快適装備は圧巻です。夜間視界向上のナイトビジョン、360°パノラミックビューカメラ、アラートアシスト、アダプティブクルーズ、7×3‑HDヘッドアップディスプレイ、レーザー式ヘッドライト(600m照射)、Wi‑Fiスポットなど最新技術が揃っています。
評価としては、ジャーナリストから「信じられない静粛性」「魔法の絨毯のような乗り心地」と高評価され、BBCやTop Gearでもラグジュアリーカー部門の最高評価を獲得。走行性能、存在感、室内品質すべてで頂点に立つ車として称賛されています 。
ロールスロイス ファントムは単なる高級車ではありません。それは移動そのものを“芸術的体験”に昇華させる存在であり、最上級の快適性、圧倒的なオーラ、そしてオーナーの個性を映す“走る舞台”です。時間をかけて作られる、世界で最も贅を尽くされた一台と言えるでしょう。