はじめに
フェラーリ F8 は、フェラーリの伝統を受け継ぎながらも最新のテクノロジーを惜しみなく投入した、V8エンジン搭載のミドシップスポーツカーです。
2019年に登場したこのモデルは、先代488GTBを進化させた存在であり、最高出力720馬力を誇る3.9リッターV8ツインターボエンジンを搭載。サーキットレベルのパフォーマンスを公道でも楽しめるように設計されています。エクステリアは空力性能と美しさを両立し、インテリアはドライバー中心の設計。
さらに最新の電子制御システムを組み合わせることで、安全性と扱いやすさも兼ね備えています。まさに「V8フェラーリの集大成」と呼ぶにふさわしい一台です。

フェラーリ F8 のエクステリアデザイン

フェラーリ F8 のエクステリアは、過去の名車の要素を取り入れつつも最新の空力技術を反映した、非常に洗練されたデザインとなっています。
フロントデザイン
- もっとも特徴的なのが 「Sダクト」。フロントノーズから取り込んだ空気を車体中央の開口部へと流し、ダウンフォースを大幅に強化。これによりフロントの接地性が向上しています。
- ヘッドライトは細長い フルLEDライト を採用し、鋭い視線を演出。縦方向のスリットが加えられており、冷却効率にも貢献しています。
- 低くワイドに構えたノーズラインが、力強くも流麗な印象を与えます。
サイドビュー
- フェンダーからリアへ流れるラインは彫刻のように滑らかで、空気の流れを意識した造形。
- ドア後方には大きな エアインテーク を配置し、V8ツインターボエンジンへ効率的に空気を送り込みます。
- シルエットはクラシックなミドシップフェラーリを連想させるもので、488GTBよりもシャープで躍動的。
リアデザイン
- 伝統を受け継ぐ 4灯式テールランプ が復活。F355など往年のモデルを思わせるデザインで、ファンには嬉しいポイントです。
- エンジンフードは ポリカーボネート製のルーバー付きカバー を採用。軽量化と放熱性を両立しながら、エンジンの存在感を視覚的にアピール。
- リアディフューザーと統合された大型エアアウトレットにより、ダウンフォースと排気効率を最適化。
- デュアルマフラーは左右に配置され、迫力のあるリアビューを形成。
ホイール & 全体バランス
- 軽量アルミホイールやカーボン製オプションホイールを選択可能。
- 車高は低めに設定され、全体として ワイド & ロー の安定感あるスタンスを実現。
- デザイン全体が「美しさ」と「機能性」を両立しており、見る角度によって印象が変化するのもF8の魅力です。
まとめ
要するに、フェラーリ F8 のエクステリアは「空力効率を徹底的に追求しながらも、フェラーリらしい官能的なデザインを崩さない」ことが大きな特徴です。
フェラーリ F8 のインテリアデザイン

フェラーリ F8 のインテリアは、走りに集中できるレーシーな雰囲気と、ラグジュアリーな仕上げを兼ね備えています。ドライバーが主役となる“ドライバー・オリエンテッド”な設計が徹底されており、フェラーリならではの緊張感と快適性が融合しています。
コックピットデザイン
- メータークラスター中央には伝統の 大型アナログ式タコメーター を配置。フェラーリの象徴ともいえるこのデザインが、エンジン回転の高揚感を視覚的に伝えます。
- 両サイドには 高解像度ディスプレイ を備え、車両情報やナビゲーションを表示可能。必要な情報を的確に確認できる構成です。
- ステアリングホイールには マネッティーノスイッチ(走行モード切替)をはじめ、エンジンスタートボタン、ウインカー、ワイパーなど多くの操作系を集約。手を離さずに操作できるレーシング的思想が反映されています。
素材と仕上げ
- シートやダッシュボードには上質な レザーやアルカンターラ を使用。ステッチの仕上げまで丁寧で、工芸品のような質感があります。
- 随所に カーボンファイバー が用いられ、軽量化とスポーティな印象を強調。
- オプションでカラーや素材を幅広くカスタマイズでき、自分だけの1台を作り上げることが可能です。
パッセンジャーのための装備
- 助手席側には「Passenger Display」と呼ばれる小型モニターを装備可能。速度、ギアポジション、回転数などを確認でき、同乗者もドライビングを共有できます。
- シートはホールド性に優れる形状で、スポーツ走行でも快適。ロングドライブでも疲れにくい設計です。
快適装備
- 最新のインフォテインメントシステムを搭載し、スマートフォン接続にも対応。
- エアコンの吹き出し口やスイッチ類はドライバーに向けられており、操作性とデザイン性を両立。
- フェラーリらしいタイトで包み込まれるような室内空間は、走行中の一体感をさらに高めてくれます。
まとめ
フェラーリ F8 のインテリアは「ドライバーのための空間」として徹底的に設計されています。レーシーでありながらラグジュアリー、機能的でありながら官能的――まさにフェラーリらしい哲学が反映されたコックピットです。
フェラーリ F8 のパワーと性能

フェラーリ F8 の大きな魅力は、歴代V8モデルの集大成ともいえる圧倒的なパワーと、最新の制御技術による扱いやすさです。サーキットでも公道でもそのパフォーマンスを最大限に発揮できるよう設計されています。
エンジン性能
- 搭載エンジンは 3.9リッター V8ツインターボ
- 最高出力:720馬力(8,000rpm)
- 最大トルク:770Nm(3,250rpm)
- 先代488GTB比で50馬力アップし、過去の「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を何度も受賞した名機の進化版です。
- ターボラグを極限まで排除し、自然吸気に近いレスポンスを実現。
加速 & 最高速
- 0-100km/h加速:2.9秒
- 0-200km/h加速:7.8秒
- 最高速度:340km/h
この加速性能は、ハイパーカーに迫るレベルでありながら、日常でも扱えるバランスを持っています。
軽量化と空力性能
- 488GTBより約40kg軽量化。軽量パーツやカーボンファイバーの採用によって実現。
- 「Sダクト」をはじめとする空力デザインで、ダウンフォースを約15%向上。
- 力強いエンジンパワーを安定して路面に伝える仕組みが整っています。
ドライビングテクノロジー
- フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE+):横滑りを制御し、コーナリング時の車両挙動を安定化。
- マネッティーノスイッチ:Wet、Sport、Raceなど複数の走行モードを選択可能。ドライバーのスキルやシーンに応じたセッティングが可能。
- E-Diff(電子制御ディファレンシャル) や トラクションコントロール が連携し、限界走行でも扱いやすい特性を実現。
サウンド
- V8ツインターボながら、フェラーリらしい高音域の官能的サウンドを響かせます。
- 吸気音や排気音のチューニングも施され、加速時にはレーシングカーのような迫力を味わえます。
まとめ
フェラーリ F8 の性能は、単に速いだけでなく「誰が運転しても楽しめる」よう洗練されています。軽量化、空力性能、電子制御のすべてが組み合わさることで、V8エンジンの最高峰と呼ぶにふさわしい走行体験を提供してくれます。
フェラーリ F8 の安全性能

フェラーリ F8 はスーパースポーツカーでありながら、最新の電子制御システムと安全装備を組み合わせることで、極限のパフォーマンスを安心して楽しめるように設計されています。
ボディ構造と安全性
- 軽量ながら剛性の高い アルミニウム合金シャシー を採用し、衝突時のエネルギー吸収性能を強化。
- フロントやサイドにはクラッシャブルゾーンを設け、万一の事故でも乗員の安全を守る構造です。
- エアバッグ(フロント・サイド)も標準装備し、日常的な使用においても安心感があります。
電子制御システム
- E-Diff3(電子制御ディファレンシャル)
→ トラクションを最適に配分し、安定した加速を実現。 - F1-Trac(トラクションコントロール)
→ スリップを抑制し、雨天や低摩擦路面でもコントロール性を維持。 - フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE+)
→ コーナリング中の横滑りを抑え、スムーズかつ安全な旋回をサポート。 - マネッティーノスイッチ
→ Wet、Sport、Race などのモードを切り替えることで、状況に応じた安全性と走行性能を両立。
ブレーキ性能
- カーボンセラミックブレーキ を標準装備。高温時でも制動力が落ちにくく、サーキット走行でも安定。
- ABSと連動し、緊急時には確実な制動力を発揮。
運転支援機能
フェラーリ F8 はドライバー主体の車であるため、一般的な自動運転支援機能(ACCやレーンキープなど)は搭載していません。
しかし、リアビューカメラや駐車センサー は用意され、街中での取り回しを補助します。
まとめ
フェラーリ F8 の安全性能は、「ハイパワーを安全に楽しむ」ことに重点が置かれています。最新の電子制御と剛性の高いボディ、強力なブレーキにより、ドライバーは限界性能を引き出しながらも安心して走行できるのが特徴です。
ギャラリー























さいごに
フェラーリ F8 は、単なるスーパーカーではなく「伝統と革新の融合」を体現したモデルです。
空力を突き詰めたエクステリア、ラグジュアリーかつレーシーなインテリア、そして世界最高峰のV8ツインターボによる圧倒的なパフォーマンス。
さらに最新の電子制御によって、極限の速さを安全に楽しむことが可能です。フェラーリの歴史において特別な意味を持つV8の進化形として、F8はコレクターにとってもドライバーにとっても憧れの存在であり続けるでしょう。





