はじめに
DS 4(最新モデルは DS N°4)は、フランスのプレミアムブランド「DS Automobiles」が手掛けるコンパクトラグジュアリーカーです。
ヨーロッパではBMW 1シリーズやアウディA3と並ぶクラスに位置しますが、その存在感は一味違います。流麗で彫刻的なエクステリア、ラグジュアリーと先進性が融合したインテリア、幅広いパワートレイン展開、そして最新の安全装備を兼ね備えた一台は、まさに“フランス流の美学”を体現しています。
この記事では、そんなDS 4の魅力と、実際に所有して感じられるメリット・デメリットを詳しく解説します。

DS 4(DS N°4)のエクステリア
ボディ全体の特徴
- 全長約4.4m、全幅1.87m、全高1.47mのコンパクトプレミアムサイズ。
- ワイドで低いフォルムにより、スポーティで上質な印象。
- ドアハンドルはボディと一体化する“フラッシュ式”で、すっきりとした見た目。
- ホイールは19〜20インチと大径で、足元を力強く演出。
フロントデザイン
- 大型グリルと点灯する「DSロゴ」が存在感を放つ。
- ヘッドライトは「DS MATRIX LED Vision」を採用し、先進的でシャープ。
- デイタイムランニングライト(DRL)は鋭角なラインで、昼夜問わず印象的。
- バンパー下部は空力を意識した開口部があり、スポーティさを強調。
サイドビュー
- 流れるような曲線と力強い張り出しを組み合わせた立体的な造形。
- 光と影のコントラストが美しく、見る角度で表情が変化。
- クロス仕様「DS 4 Cross」では、樹脂モールやルーフレールを装備しSUVらしさを演出。
リアデザイン
- スリムな横一文字テールランプが特徴。
- 「DS AUTOMOBILES」のロゴが光のラインで際立ち、夜間の存在感も抜群。
- ディフューザー風のバンパー形状でスポーティさを追加。
- 傾斜のあるリアガラスとCピラー処理により、軽快でスタイリッシュな印象。
デザインの魅力
- 光の演出:ロゴやライトの造形を活かし、昼夜で存在感を強調。
- エレガント × ダイナミック:流麗さと筋肉的な張りを融合。
- 高級感のある質感:面一ドアハンドルやダーク加飾など細部までこだわり。
最新のDS 4(N°4)は、フランス車らしいエレガンスとモダンな先進性を兼ね備えたデザインで、ヨーロッパのプレミアムコンパクト市場でも独自の存在感を放っています。
DS 4(DS N°4)のインテリア
全体デザインと雰囲気
- インテリアは「フランスのラグジュアリー」を強調しており、落ち着きと先進性を兼ね備えた空間。
- レザー、アルカンターラ、木目調、金属加飾など質感の高い素材を組み合わせ、クラフトマンシップを感じさせます。
- デザインテーマは「エレガントなシンプルさ」で、操作系やスクリーンを巧みに隠しつつ、見た目の美しさを優先。
コクピットと操作系
- メインディスプレイは10インチのインフォテインメントスクリーン。最新の「DS Iris System」を搭載し、音声認識や直感的操作が可能。
- メーターはデジタルディスプレイで、視認性を重視しカスタマイズも可能。
- 大型ヘッドアップディスプレイ(拡張現実的な表示機能あり)を採用し、走行中の視線移動を最小化。
- センターコンソールには小型の「DS Smart Touch」パネルを装備。指先ジェスチャーで操作でき、メイン画面の補助として活用。
シートと快適性
- フロントシートは人間工学に基づいた設計で、マッサージ・シートヒーター・ベンチレーション機能を搭載可能。
- 上級グレードでは「ウォッチストラップデザイン」と呼ばれるシート表面の独特なステッチが採用され、フランスの高級時計の革バンドを思わせる仕上げ。
- 後席は十分な膝回りと快適性を確保し、PHEVモデルでもラゲッジスペースの犠牲を抑えています。
細部のこだわり
- エアコン吹き出し口はダッシュボードに溶け込むようデザインされ、存在感を抑えた「インビジブル・ベント」構造。
- 物理スイッチは最小限にまとめられ、タッチ操作と直感的UIが中心。
- アンビエントライトが用意され、夜間は上品で落ち着いた雰囲気を演出。
テクノロジーと先進装備
- Apple CarPlay / Android Auto に対応し、スマートフォン連携もスムーズ。
- 先進運転支援システム(ADAS)と連動し、ディスプレイやHUDで安全情報をわかりやすく表示。
- 高性能オーディオシステム(Focal Electra)がオプション設定され、プレミアムな音響体験を提供。
まとめ
DS 4 のインテリアは、見た目のデザイン性と高級素材による質感に加え、先進的な操作系や快適機能を組み合わせた“フランス流ラグジュアリー空間”。ドライバーには先端テクノロジーを、同乗者には上質なリラックス感を提供するのが大きな魅力です。
DS 4(DS N°4)のパワーと性能
エンジン&パワートレインのバリエーション
DS 4 には複数のパワートレインが用意され、欧州市場を中心に展開されています。
- ガソリンエンジン(PureTech系)
1.2L 3気筒ターボや 1.6L 4気筒ターボをラインナップ。
出力は 130〜225ps 程度まで用意され、静粛性と扱いやすさが特徴。 - ディーゼルエンジン(BlueHDi系)
1.5L 4気筒ターボディーゼルで、低燃費とトルクの力強さが魅力。 - プラグインハイブリッド(E-TENSE 225)
1.6Lガソリンターボ+電動モーターを組み合わせ、システム出力は 225ps。
EV走行距離は最大 約62km(WLTP値) で、都市部の短距離移動なら電気だけでカバー可能。 - 新世代EVモデル(DS N°4 E-TENSE)
2025年のフェイスリフトで登場予定。
バッテリー容量は 84kWh、航続距離は 約700km(WLTP想定)とされ、完全電動化に向けた重要モデル。
トランスミッションと駆動方式
- すべてのエンジンに 8速オートマチック(EAT8) を採用。
- 基本は前輪駆動(FF)。高性能版では電動化システムを活かして四輪駆動的な挙動を実現するモデルも計画されています。
走行性能と乗り味
- サスペンション:EMP2プラットフォームをベースに、ダンピング制御機構「DSアクティブスキャンサスペンション」を搭載。カメラで路面を読み取り、減衰力を自動調整するため、快適性と安定性を両立。
- 静粛性:二重ガラスや遮音材を積極的に採用し、クラス上位の静かさを実現。特にPHEVやEVモデルは極めて静粛。
- 加速性能:E-TENSE 225での0-100km/h加速は 約7.7秒 と発表されており、日常域では十分スポーティ。
- 燃費効率:ガソリンモデルで約15〜17km/L、ディーゼルでは20km/L超を実現するケースもあり、電動モデルでは環境性能がさらに際立ちます。
まとめ
DS 4 はガソリン・ディーゼル・PHEV・EVと幅広いパワートレインを持ち、快適性と静粛性を重視しつつも、225ps級のPHEVや将来のEV仕様など走りのポテンシャルも十分。フランス車らしい上質な乗り心地と最新の電動技術が、プレミアムコンパクト市場で独自の魅力を放っています。
DS 4(DS N°4)の安全性能
衝突安全性能
- Euro NCAP評価
DS 4 は欧州の安全テスト「Euro NCAP」で、標準仕様は ★★★★(4つ星)、オプションのフル安全装備を搭載した仕様は ★★★★★(5つ星)を獲得。
→ 衝突安全性そのものは十分に高く、装備追加でさらに安心感が増す仕組みになっています。
予防安全技術(ADAS)
DS Automobiles は「DS Drive Assist 2.0」と呼ばれる最新の運転支援システムを搭載。
- アダプティブクルーズコントロール
前走車との車間を自動調整し、渋滞時はストップ&ゴーも可能。 - 車線維持アシスト
高速道路での走行時にレーンを認識し、ステアリングを自動補正。
バージョンによっては「車線変更アシスト」も可能。 - 緊急自動ブレーキ(AEB)
車両・歩行者・自転車を検知し、衝突回避や被害軽減をサポート。 - 標識認識機能
スピードリミットや進入禁止などの標識を読み取り、メーターやHUDに表示。 - ドライバー監視システム
カメラで運転者のまばたきや顔の動きを監視し、眠気や注意散漫を警告。
夜間・視界サポート
- DS MATRIX LED Vision
道路状況に応じて光の配分を自動制御。ハイビームでも対向車を眩惑させず、常に最適な視界を確保。 - 赤外線ナイトビジョン(オプション)
前方の歩行者や動物を赤外線カメラで検知し、暗闇でも早めに警告。 - 360°カメラ&パーキングアシスト
駐車や狭い道での安全確認をサポート。
構造安全
- 高張力鋼やアルミを使ったボディ構造で、軽量化と高剛性を両立。
- 衝撃吸収ゾーンを最適化し、衝突エネルギーを効率的に分散。
- 複数エアバッグ(前席・側面・カーテン)を標準装備。
まとめ
DS 4 は最新の運転支援「DS Drive Assist 2.0」を中心に、アダプティブクルーズ、レーンキープ、緊急ブレーキ、ナイトビジョンなど幅広い安全装備を搭載。Euro NCAPでも高評価を獲得しており、日常走行から高速・夜間走行まで安心感を提供するモデルとなっています。
買って良かった点(メリット)
- デザイン性の高さ
外観・内装ともにフランス車らしい個性的でエレガントなデザイン。他にない存在感がある。 - 高級感のあるインテリア
レザーやアルカンターラなど質感が高く、細部の仕上げも上質。乗るたびに満足感がある。 - 静粛性と快適性
遮音性能が優れており、サスペンションが路面状況に合わせて減衰力を調整する「DSアクティブスキャンサスペンション」で乗り心地も快適。 - 豊富なパワートレイン
ガソリン・ディーゼル・PHEV・EVまで揃っており、用途やライフスタイルに合わせて選べる。 - 先進安全装備の充実
自動運転レベル2相当の支援システムやナイトビジョンなど、安心して運転できる装備が充実。
買って悪かった点(デメリット)
- 操作系が独特
タッチ式スイッチやジェスチャー操作が多く、慣れるまで直感的に使いにくいという声もある。 - 価格がやや高め
プレミアムコンパクトクラスとしては割高に感じる人も多い。オプションを付けるとさらに高額になる。 - 実用性に制限あり
後席やラゲッジスペースは平均的だが、SUVのような広さを期待すると物足りない。 - ディーラー網の少なさ
日本では販売網が限られており、整備や購入サポート面で不安を感じる人もいる。 - ブランド知名度の弱さ
BMWやアウディと比べると知名度が低く、リセールバリューもやや劣る傾向。
まとめ
DS 4 は「デザイン」「上質感」「快適性」を重視する人にとって理想的な1台。一方で、価格や知名度、操作系の独特さが気になる人には合わない場合もあります。まさに「個性派フランス車を楽しみたい人」におすすめのモデルです。
ギャラリー:DS4
ギャラリー:DS N°4
さいごに
DS 4は「個性的なデザイン」と「上質な乗り味」を楽しみたい人にぴったりのモデルです。
豪華な内装や静粛性、先進の安全性能は大きな満足感を与えてくれますが、一方で操作系の独特さやディーラー網の少なさ、価格面などは購入前に考慮すべきポイントです。
とはいえ、ありふれたプレミアムカーとは一線を画し、自分らしさを表現できる存在感を求めるなら、DS 4は他では得られない魅力を提供してくれるでしょう。