駆け抜ける歓びの軌跡!BMWの歴史と象徴的なモデルたち

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スザク

元車買取店勤務のスザクと言います。
車が好きという病気に侵されてる男です。
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はじめに

BMW(Bayerische Motoren Werke AG)は、ドイツを代表する自動車メーカーであり、プレミアムカーの代名詞として広く知られています。

その歴史は100年以上にわたりますが、最初から自動車を製造していたわけではありません。

BMWがどのようにして現在の地位を築いたのか、その興味深い歴史を振り返ってみましょう。

BMWの創業 – 飛行機エンジンメーカーとしての始まり

■BMW:ロゴ

BMWの歴史は、1916年にまで遡ります。この年、ドイツのミュンヘンで「BFW(Bayerische Flugzeugwerke)」という飛行機エンジンの製造会社が設立されました。

第一次世界大戦中、ドイツは軍需産業が盛んで、飛行機エンジンの需要が急増していたため、BMWもこの分野に進出する形で事業をスタートさせました。

当時のドイツの航空機技術は世界的に優れており、BMWもその一端を担うことで名声を高めました。1917年に社名を「BMW」に変更し、1920年代まで飛行機エンジンの開発を続けました。

この時期に生まれた「BMWロゴ」の円形デザインは、青空と飛行機のプロペラをイメージしたものとされていますが、これには様々な説があります。

オートバイへの転身 – 初のモーターサイクル「R32」の登場

■BMW:R32

第一次世界大戦の終結に伴い、ドイツは軍需産業への制限を受け、BMWも飛行機エンジンの製造を続けられなくなります。このため、BMWは新たな事業としてオートバイの製造を開始しました。

1923年に登場した「BMW R32」は、BMW初のモーターサイクルで、水平対向エンジンを採用し、優れた走行安定性と耐久性で高い評価を受けました。

このエンジン設計は、その後もBMWのオートバイ製造に大きな影響を与えています。

自動車産業への参入 – 初の自動車「BMW 3/15」

■BMW:3/15

BMWが自動車産業に本格的に参入したのは1928年のことでした。この年、BMWはアイゼナッハにある「DFG(Deutsche Fahrzeugfabrik Eisenach)」を買収し、最初の自動車「BMW 3/15」を生産します。

これは、オースチン・セブンをライセンス生産した小型車でしたが、手頃な価格と品質の高さから、人気を集めました。

第二次世界大戦とその影響

■BMW:501

第二次世界大戦が始まると、BMWは再び軍需産業に戻り、飛行機エンジンの製造を再開しました。この時期、BMWは主にドイツ軍用機のエンジンを供給し、その技術力でさらなる評価を得ました。

しかし、戦争の終結とともにドイツは敗戦を迎え、BMWも多くの工場を失い、戦後は深刻な経済的打撃を受けます。

戦後の復興期、BMWは自動車やオートバイの製造再開に向けた試みを行いましたが、資金不足により経営危機に直面。1950年代には倒産寸前にまで追い込まれました。

しかし、企業再建を図る中で誕生した「BMW 501」などの車両が好調に売れ、徐々に復活への道を歩みます。

名車「BMW 1500」と「ニュー・クラッセ」の誕生

■BMW:1500

BMWが本格的に復活するのは、1960年代に登場した「BMW 1500」の成功がきっかけです。

このモデルは「ニュー・クラッセ(Neue Klasse)」と呼ばれるシリーズの一部で、4ドアセダンのデザインやスポーティなエンジン性能が支持され、BMWは高級車メーカーとしての地位を築いていきます。

「ニュー・クラッセ」シリーズの成功により、BMWは安定した収益基盤を確保できるようになり、以後のモデル開発にも積極的に取り組むことができました。

世界的なプレミアムブランドへ – 「3シリーズ」「5シリーズ」「7シリーズ」の確立

■BMW:3シリーズ(E21)

1970年代に入ると、BMWは「3シリーズ」「5シリーズ」「7シリーズ」という異なる車種ラインを導入しました。

それぞれが異なる市場層に向けて開発され、特に「3シリーズ」はBMWの最も売れ筋のモデルとなります。スポーティで上質なデザイン、高いパフォーマンスが評価され、BMWのブランドイメージを確固たるものにしました。

このシリーズの確立により、BMWはヨーロッパだけでなくアメリカ市場でも成功を収め、世界的なプレミアムカーメーカーとしての地位を確立していきました。

革新と挑戦 – 電動化とサステナビリティへの取り組み

■BMW:i Vision Dee Concept(2023年)

2000年代に入り、BMWはエコカーや電動車両の開発にも積極的に取り組むようになりました。

2013年に登場した「BMW i3」は、BMW初の量産型電気自動車(EV)であり、未来的なデザインと環境に配慮した素材が使用されています。

また、スポーツカーと環境性能を融合させた「BMW i8」も話題を集めました。

現在、BMWは「iシリーズ」や「Mシリーズ」といった多様なモデルを展開しながら、サステナビリティと高性能を両立させることを目指しています。

おわりに

BMWの歴史は、常に時代に合わせた進化と革新を続ける歩みでした。

飛行機エンジンのメーカーとしてスタートし、オートバイ、自動車と次々に新たな分野に挑戦し続けてきたBMW。

その歴史は、技術への情熱と革新への挑戦の積み重ねによって築かれたものです。

現在もなお、BMWはプレミアムカー市場でその存在感を示し、未来のモビリティへ向けた挑戦を続けています。

BMWの歴史の中で重要な車種

BMWの歴史で特に重要な車種を年代ごとにピックアップし、その特徴と意義を説明します。

これらの車種は、BMWのブランドやイメージに大きな影響を与え、業界での地位を確立するためのターニングポイントとなりました。

1. BMW 3/15(1929年)

  • 特徴: BMW初の自動車として生産されたこの小型車は、オースチン・セブンをライセンス生産したモデルでした。
  • 意義: これがBMWの自動車製造の第一歩であり、小型で手頃な価格であったために多くの顧客に受け入れられ、BMWのブランドを一般に浸透させるきっかけとなりました。

2. BMW 328(1936年)

  • 特徴: 軽量でエアロダイナミクスに優れたデザインのこのスポーツカーは、直列6気筒エンジンを搭載し、優れた走行性能を持っていました。
  • 意義: BMW 328はレースで多くの勝利を収め、BMWのスポーティなブランドイメージを築き上げました。328は現在でもクラシックカーとして高く評価されており、BMWのモータースポーツの礎となりました。

3. BMW 501(1952年)

  • 特徴: 第二次世界大戦後に登場した「豪華セダン」で、滑らかなデザインと広々とした室内が特徴でした。
  • 意義: 戦後復興期のBMWの重要なモデルであり、「バイエリッシュボンバー(Bavarian Bomber)」とも呼ばれました。この車両は経営再建に貢献し、BMWを高級車市場に押し上げました。

4. BMW 1500(1962年)

  • 特徴: 直列4気筒エンジンを搭載した「ニュー・クラッセ(Neue Klasse)」シリーズの一つで、セダンながらスポーティな走りが楽しめる車でした。
  • 意義: 1500の成功によってBMWは経済的に復活を遂げ、次の「3シリーズ」「5シリーズ」への基礎を築きました。このモデルがBMWの成長を支えたエポックメイキングな存在でした。

5. BMW 2002(1968年)

  • 特徴: 2ドアセダンであり、強力な2リットルエンジンを搭載し、当時のスポーツセダン市場で圧倒的な人気を誇りました。
  • 意義: BMWのアイコン的な存在で、「駆け抜ける歓び」を体現するモデルとされています。2002は特にアメリカ市場で大成功を収め、BMWのスポーティなブランドイメージをさらに強化しました。

6. BMW 3シリーズ(E21, 1972年)

  • 特徴: 初代3シリーズであり、シンプルながらスタイリッシュなデザインが特徴の2ドアセダンです。
  • 意義: 3シリーズは、BMWのベストセラーモデルとなり、以降の3シリーズはBMWの顔ともいえる存在に成長しました。スポーティでありながら日常使いにも適した性能で、BMWの主力車種として成功しました。

7. BMW 5シリーズ(E12, 1975年)

  • 特徴: ミドルサイズの高級セダンで、エレガントなデザインと優れた走行性能が特徴です。
  • 意義: このモデルはビジネス用途の車としての位置づけで、「エグゼクティブセダン」のカテゴリーを確立し、BMWが高級車市場での地位を固めることに貢献しました。

8. BMW 7シリーズ(E23, 1977年)

  • 特徴: BMW初のフルサイズ高級セダンで、快適性と高級感に加え、当時としては画期的なテクノロジーも多数搭載していました。
  • 意義: BMWが高級車市場でメルセデス・ベンツなどの競合に対抗するための重要な存在であり、BMWが高級セダン分野での地位を強化する大きなステップとなりました。

9. BMW M1(1978年)

  • 特徴: BMW初のスーパーカーで、ミッドシップレイアウトの直列6気筒エンジンを搭載したスポーツカーです。
  • 意義: BMW Mシリーズの始まりであり、モータースポーツのDNAを公道で楽しめる「M」の基礎を築きました。M1の登場は、BMWがスポーツカーメーカーとしての地位を確立する上で大きな役割を果たしました。

10. BMW i3(2013年)

  • 特徴: BMW初の量産型電気自動車で、ユニークなデザインやリサイクル素材の使用が特徴です。
  • 意義: サステナビリティと未来志向を反映したモデルで、BMWの電動化戦略の象徴です。i3の登場により、BMWはEV市場での存在感をアピールし、電動化を推進する新しいイメージを確立しました。

11. BMW i8(2014年)

  • 特徴: プラグインハイブリッドのスポーツカーで、未来的なデザインと高性能を融合させたモデルです。
  • 意義: i8は、BMWが高性能とエコロジーの両立を目指す姿勢を象徴しており、スポーツカーと環境性能を組み合わせた新しいジャンルを切り開きました。

これらの車種は、BMWがスポーツ性、ラグジュアリー、革新性といったブランドイメージを確立するための重要な転機となりました。

各モデルがもたらした技術革新や新しいデザインは、BMWが自動車業界で高い評価を得るために必要不可欠な要素でした。

さいごに

BMWの歴史と象徴的なモデルを振り返ると、時代ごとの挑戦と革新がいかにブランドの成長に貢献したかが見えてきます。飛行機エンジンの製造から始まり、オートバイ、そして自動車へと進化していったBMWは、スポーティな走行性能と高い技術力で一貫して多くの人々を魅了してきました。

また、3シリーズや5シリーズ、そしてi3やi8といった象徴的なモデルを通じて、プレミアムカー市場での地位を不動のものとし、未来のモビリティへの道を切り開いています。

BMWはただの自動車メーカーに留まらず、「駆け抜ける歓び」というブランドスローガンが示す通り、運転者に喜びと興奮を提供する存在です。

今後もサステナビリティや電動化といった新たな課題に向き合いながら、BMWは伝統と革新を両立させ、次の時代にもその魅力を届けてくれるでしょう。